研究課題/領域番号 |
11877436
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
大賀 淳子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助手 (80305846)
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研究分担者 |
稲垣 敦 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教授 (00223214)
河島 美枝子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (70305837)
影山 隆之 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教授 (90204346)
平井 仁 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助手 (10322380)
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キーワード | 精神分裂病 / 精神科デイケア / 体力テスト / 心臓自立神経機能 / 精神症状 / 万歩計 / 服薬量 |
研究概要 |
1.大分市内の某精神科病院において平成11年度に実施した以下の調査結果について横断的検討を行った。 体力テスト(握力・背筋力・長座体前屈・エルゴメータによる最大酸素摂取量・ステッピング・全身反応時間・重心動揺)、安静臥位および立位での心拍変動測定、BPRSを用いた精神症状の臨床評価、万歩計による日常運動量、服薬量。 精神分裂病患者の体力は同年代の標準(健康者)集団に比べて概して劣っており、入院患者と通院患者(デイケア利用者)を比較すると、全体として入院患者のほうが劣っていた。 精神分裂病入院患者の敏捷性について、その実態と関連要因を検討した。敏捷性を示すステッピングのZスコアは重回帰分析の結果、男女とも年齢との間に正の相関が見られ、精神分裂病入院患者では標準集団と比べての敏捷性の低さが若年患者ほど顕著であり、加齢とともに目立たなくなっていた。男では運動減退症状との間に正の相関が、女性では抗精神病薬および抗不安薬との間に負の相関が見られた。これらの要因については、今後の縦断的調査結果を加えてさらに検討する予定である。 呼吸循環系持久力の指標である最大酸諸摂取量の背景を検討した。エルゴメータによる最大酸素摂取量を測定できたのは対象者のうち1/3で、残り2/3は拒否・中断等の理由で測定分不能だった。女では抗不安薬との間に正相関があり、持久力の低い者は心臓自立神経機能の低下が示唆された。エルゴメータ以外の測定方法を工夫してデータを増やし、さらに検討する予定である。 以上の検討結果は、日本体育学会第51回大会および第21回日本社会精神医学会で報告した。 2.同病院における新規入院患者およびデイケア通所者を対象とし、平成11年度と同様の調査を行った。各調査の対象者は、体力テスト105名、心拍変動49名、精神症状95名、日常運動量53名、服薬量110名であった。各調査で得られたデータは、平成11年度の調査結果との比較を行いながら現在検討中である。
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