研究概要 |
1).密着縮尺約1/30万の衛星写真CORONA(ポジフィルム)を解像度1200dpi〜4000dpiでスキャナーを用いてパソコンに取り込み,アナログ情報をデジタル情報に変換し,パソコンの画面上およびプリントアウトにより判読した. 2).相馬は,カレーズが多く分布する中国北西部,トルファン盆地を例として,1)の方法でデジタル化されたCORONAの判読によりカレーズの個々の縦穴位置を明らかにし,それを基礎資料として,カレーズの平面形・分布パターン・分布密度,さらに,それらと上流地域における氷河の発達程度との関係などについて検討した.その結果,氷河の発達が良い流域でカレーズの密度が高いこと,大規模な砂丘地域の下流に分布するカレーズは水量を増やすため上流側先端部が樹枝状の平面パターンを有することなどを指摘した.その成果の一部は,1999年11月の人文地理学会において発表した. 3).小方は,CORONAを拡大・接写レた後にフィルムスキャナーによりデジタル化する方法が,高解像度のスキャナーで直接CORONAをデジタル化する方法に比べて,情報をより詳しく表示できることを利用して,西アジアの都市遺跡および三蔵法師の旅行ルート沿いの遺跡を対象としてそれらの平面形態・内部講造などを検討し,その成果を1999年11月の人文地理学会および2000年2月の同学会例会にて報告した. 4).松田と相馬は,中国トルファン盆地を例として,位置の緯度,経度が判明している遺跡を取り上げ,時代別(新石器時代,春秋戦国から漢代まで,および,唐代前後)にそれらをデジタル化されたCORONAに重ね合せ,遺跡の立地傾向などについて検討した. 5).衛星写真は撮影範囲の幅が広いため,周辺部を中心として歪みがかなりみられる.そこで,画像解析ソフト(ERDAS IMAGINE;エッセンシャル)を購入し,歪みをできるだけ補正できるように検討している.
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