研究概要 |
研究期間3年の初年度にあたる今年度は、以下のことに重点を置いて研究を遂行した。 (1)Rule Space Method(RSM)に関する理論の整理と検討 この種のテーマを取り扱った書籍や論文を収集して、過去の研究過程のサーベイを行いこの手法の特徴の把握に努めた。 (2)RSMとニューラルネットワークモデル(NNM)の差異の明確化 従来から研究してきた階層型NNMを用いてRSMで得られた知見が再現できるかを試みた。 これ用のプログラムを計算機上に実現し、数値実験を行ったところ、完全に一致しないまでも、類似した構造が導出された。 解釈とこの差異については今後の検討課題である。 (3)NNMを用いたRSMへの支援の提案 RSMにおけるAttributeの抽出は、担当の困難性が伴うが、NNMの割り当てを工夫したモデルを構築することにより、得られた結果をQ-Matrixの構成支援に利用することも予想できる。これへの検証は次年度以降に行う。 なお、これら一連の研究活動において、Rule Space Methodの提唱者であるDr.K.Tatsuoka(Educational Testing Service)と意見交換を行ない、特に11月末には訪問して有意義な情報交換を行った。その際には、Rule Space Method用のソフトウェアPMAINの利用方法についても、そのノウハウを教えていただいた。 今年度は、日本行動計量学会で途中経過を発表し('99,9月)、また実際の数値実験例等をicmmaで報告する予定('00,5月)である。
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