研究概要 |
昨年度の成果を踏まえ,今年度は主にジェンダー測定尺度の確立と,それを用いた生徒・保護者・教師のジェンダーの調査,およびジェンダーフリー学習プログラム(試案)を作成・実施し,それを評価した。 (1)ジェンダー測定尺度の確立 東京女性財団作成のジェンダーチェックを参考に,25項目からなるジェンダーに関するアンケート調査を行い,統計処理により尺度の有効性を確かめた。その結果,25項目中,生徒は21項目,保護者は23項目,教師は22項目をもって最終基準とし、それらを「ジェンダー測定尺度」とした。 (2)生徒・保護者・教師のジェンダー度の調査 (1)の「ジェンダー測定尺度」を用いて,生徒・保護者・教師のジェンダーを調査し,三者の関連を分析した。三者とも女性の方がジェンダーフリーの傾向が,また三者の中でも保護者の女性でジェンダーフリーの傾向が強くみられた。しかし,意識と現実が矛盾していることも明らかとなった。 (3)ジェンダーフリー学習プログラム(試案)の作成・実施と授業評価 他の自治体等で既に実践したジェンダーフリー学習プログラムを参考に,プログラム(試案)を作成し,それをモデル校中学2年生の2クラスを対象に授業を行った。さらに本授業終了1カ月後に,(2)と同様な調査を行い,実施前後の生徒の意識の変化を授業実施クラスと無実施クラス(3クラス)とで比較した。その結果、授業実施クラスの方がジェンダーフリー化したことがわかった。
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