これまで(平成11年度)の研究成果をもとに、米国の初等及び中等学校における環境教育を中心とした児童・生徒の意思決定スキル及び能力育成のための具体的な目標設定やカリキュラム開発に関する文献の収集と分析を行った。特に、米国ウイスコンシン州の環境教育スタンダードについて分析を行い、小学校から高等学校までの各学年段階での具体的なパフォーマンス基準を明らかにした。さらに、全米科学教育プログラム"SEPUP"についても分析し、環境イシューズ解決を目指した意思決定の具体的指導方策等についても明らかにした。 また、児童・生徒(全国5つの県内の小・中・高等学校)を対象として、環境イシューズをテーマとした意思決定の実態調査を行った。その結果、我が国の児童・生徒の意思決定能力が未熟であることや、意思決定の際の問題点が明らかとなった。よってこのことより、今後、総合的学習として開発すべき意思決定指導プログラムの方向性を確認することができた。 これらの結果をもとに、現在、我が国の学校教育において実践されている環境に関する総合的学習との比較から、各学年段階ごとに、意思決定指導プログラム開発のための具体的な目標を提案(試案)することができた。また、これまでの研究成果をもとに、小・中学校における意思決定指導プログラムについても引き続き開発中である。 尚、渡米して、米国での先進的な実践研究を実際に調査したり、新たな情報の収集を行うことについては、今年度内に2度も先方の研究者が来日して打ち合わせできたことと、相手方の都合により渡米時期を来年度に変更することとした。
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