研究概要 |
本年度は,以下のことを行った。 ・コーディネーション言語およびモデルの調査:コーディネーション言語およびモデルの代表例であるLindaについて調査を行い,CafeOBJのモジュールシステムとの簡単な比較を行った。元来並列プログラムを記述するために開発されたため,Lindaの対象とする部品の統合(コーディネーション)は動的な色合いが強い。一方,CafeOBJのモジュールシステムは,静的な(部品の)仕様を組み上げて,より大きい(システムの)仕様を記述するために使われ,静的な側面が強い。両者を融合することでよりよいコーディネーション言語およびモデルを開発できるものと期待できる。新規の特徴としては,これまでのコーディネーション言語およびモデルでは,あまり対象とされていなかった,部品の統合に関する検証を扱える枠組みを提供できるものと思われる。 ・モジュールシステムのCafeOBJによる仕様記述の解析:我々の研究グループでは,モジュールシステムをより深く理解するためCafeOBJのモジュールシステムの仕様書をCafeOBJで記述し,いくつかの重要と思われる性質について検証を行った。本年度は,この仕様書をもとに,検証のしやすい仕様の記述方法に関する考察を行った。 ・モジュールシステムを利用した仕様記述:CafeOBJのモジュールシステムを多用して,CafeOBJの簡約戦略である要求駆動E戦略を用いた書換えの操作的意味を記述した。
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