研究概要 |
研究目的として1)高温プラズマに現われる崩壊現象のうち多くのもが自己維持乱流の別の分枝への遷移現象であるという描像を提唱する。2)遷移現象に対して確率変数を導入したモデル方式を定式化し、発生領域や発生頻度などの諸量を評価する方法を示す。3)実験結果との比較により、遷移現象の確率的描像を検証する。4)従来の自己維持乱流理論に統計性を取り入れる研究を始める。それによってコンシステントな理論体系の構築を目指す。をかかげて、研究に取り組んでいるが1)及び2)については多くの成果を論文として発表して来ている。今年度は3)について、ヘリカル系プラズマの自励揺動や基礎プラズマの分岐現象についても実験との比較によりこの描像が適用できることを示した。(発表論文は藤澤、Giannone両実験家が第一著者の論文4件があり、また代表者は国際会議(Toki Conference 2000年12月)の招待講演や物理学会シンポジウムを行なう等の成果をあげた。4)については乱流の確率統計理論を更に進め、ランジュバン方程式として定式化したものをフォッカー・プランク方程式に再定式化している。 乱流状態について、種々の物理量の統計的評価をすることができ、それによって乱流遷移確率を計算することができる。この遷移確率の理論的な表式を遷移ダイナミックス方程式へ導入することによって遷移現象の確率的発生に対してコンシステントな理論体系を構築した。論文としては、Statistical Theory of Subcritically-Excited Strong Turbulence in Inhomogeneous Plasmas.I,II,III,IVのシリーズに引き続きVを発表した。また乱流の統計力学的なアプローチによる理論について、吉澤らとレヴュー論文をまとめ全144ページの大作をPlasma Physics and Controlled Fusion誌に発表した。(2001年3月)
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