多種類にわたる天然糖脂質のモデルとして、人工糖脂質群をできるだけ簡便に、統一的手法で合成するために、糖脂質検査をいくつかの要素、即ちモジュールに分割し、それを順次組み上げていく方法を確立することができた。具体的には糖親水部、脂質長鎖疎水部、コネクター部を疎水部側から、主として縮合反応を利用してつなぎ、人工糖脂質とした。これまでのところ、長鎖疎水部としては、グルタミン酸長鎖エステルの2本鎖のものを用いて、コネクターには、コハク酸を使用している。糖親水部には、単糖であるグルコース、ガラクトース、マンノース、2糖では、セロゼオース、マルトース、3糖としてはマルトートリオースなどが、いずれも同様な合成戦略で導入可能であることが明らかとなった。
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