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2000 年度 実績報告書

膜7回貫通型受容体のX線解析に向けた蛋白質発現と結晶化

研究課題

研究課題/領域番号 11878124
研究機関東京大学

研究代表者

佐藤 能雅  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (30150014)

研究分担者 水谷 隆太  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (70272482)
野口 修治  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60237823)
キーワード膜7回貫通型受容体 / アドレナリン受容体 / 発現 / 結晶化 / X線結晶構造解析 / 構造生物学 / メタノール資化酵母 / 膜タンパク質
研究概要

膜7回貫通型受容体は,アゴニストと特異的に結合して活性化し,Gタンパク質などを介して細胞内にリガンド結合の情報を伝達する糖鎖が付加された膜タンパク質である。本研究は,この膜貫通型受容体の三次元構造をX線結晶構造解析により明らかにし,その機能の薬理学的な理解を得るため,受容体の大量発現と結晶化の方法の構築を目的とした。
研究では,従来はμg/(L培地)オーダーの発現量しか得られなかった受容体の発現量を,ヒトβ2アドレナリン受容体について約2mg/(L培地)程度まで飛躍的に高めることができた。受容体の全長DNAを酵母α-ファクターのシグナルの下流に連結させ,メタノール資化酵母ゲノム内に発現ベクターを組み込んだ。シグナルのペプチドが切断除去され,分子表面に糖鎖が付加した完全長の受容体を発現させた。界面活性剤により受容体を可溶化し,リガンドとの結合活性も確認した。
結晶化のためには糖鎖の均一化と短鎖化が有効と考え,糖切断酵素Endoglycosidase HFを用いて効率良く短鎖化する手順も構築した。精製に用いるクロマトグラフィーカラムを検討し,精製を行った。さらに,分離精製のために,受容体と抗体の双方に結合できるリガンドを考案し,受容体と抗体を複合体として検出できる系も開発した。
研究では,さらに,ヒトβ3アドレナリン受容体についても,メタノール資化酵母に遺伝子を組み込んで発現株を樹立した。グルタチオンS-トランスフェラーゼとの融合タンパク質など様々な発現体を試みたが,β3受容体に相当する発現量は得られていない。低発現量の原因を調べた結果,アミノ末端側のポリペプチド鎖領域に由来すると考えられた。
構築したβ2受容体の発現系はこれまで最も高い発現量をもたらし,結晶化のための糖鎖の処理と精製の見通しも得られた。今後も結晶化の成功に向けて研究を展開する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Meguro,T.Kashiwagi,and Y.Satow: "Crystal Structure of the Low-Humidity Form of Aspartame Sweetner"J.Peptide Research. 56. 97-104 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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