• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

大腸菌定常期における加齢現象の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11878133
研究機関大阪医科大学

研究代表者

和田 明  大阪医科大学, 医学部, 助教授 (80025387)

研究分担者 吉田 秀司  大阪医科大学, 医学部, 助手 (60288735)
キーワードプロテオーム / 二次元電気泳動法 / 大腸菌 / 加齢 / 定常期 / 翻訳 / リボソーム / ribosome modulation factor
研究概要

我々はこれまでに2%ポリペプトンを加えた最小培地Eで大腸菌を培養し、約7日間継続する定常期を、対数期に成立した細胞集団のlife timeと定義した。そして、この定常期に形成される100Sリボソームの消長を指標として見ると、定常期が4つのsubphaseからなるmultiphasicな過程であり、このsubphaseの一方向的な移行を大腸菌の加齢現象として捉えることができることを示した。
今回我々は、先ずこの100S形成を担うribosome modulation factor(RMF)の発現を転写と翻訳の両面で定常期の全域に亘って調べた。その結果、RMFは定常期のほぼ全域で転写され続けており、RMFの量的制御の第一段階が転写のレベルにあることが明らかとなった。加えて、RMF蛋白量は100Sリボソームと化学量論的関係を維持しており、かつ遊離のRMFが検出されないことを考え合わせると、何らかのRMF分解過程が量的制御の第二段階として存在することが予想される。
次いで、RFHR(radical-free and highly reducing)電気泳動法の二次元ゲル上で検出しうる全蛋白の、定常期における時間変化を調ベ、その発現パターンを12のタイプに分類した。その結果、サンプリングした時間毎及び日毎に最大量を示す蛋白群が存在することが確認された。このことは大腸菌が細胞中に存在する蛋白のline upとその量を刻々変化させつつ定常期での生存率を維持していくことを示している。
この一方向的でドミノ倒し的な蛋白の変化は100S形成で見られた大腸菌の加齢現象を更に精緻に、かつ包括的に解析しうることを意味する。
今後これら蛋白の発現が相互にどのように関係しているかを明らかにしていきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Akira WADA: "Growth Phase-Coupled Changes of the Ribosome Profile in Natural Isolates and Laboratory Strains of Escherichia coli"J.Bacteriology. (in press). (2000)

  • [文献書誌] Yasushi Maki: "Stoichiometric analysis of barley plastid ribosomal proteins"Plant and Cell Physiology. (in press). (2000)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi