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1999 年度 実績報告書

ヒト細胞周期G2期チェックポイント解析

研究課題

研究課題/領域番号 11878141
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

河邊 拓己  名古屋市立大学, 医学部, 助手 (30224843)

研究分担者 手塚 俊文  名古屋市立大学, 医学部, 助手
菅沼 正司  藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (60288488)
岡本 尚  名古屋市立大学, 医学部, 教授 (40146600)
キーワード細胞周期 / チェックポイント / ヒト / G2期 / 癌治療 / ペプチド / Chk1 / Chk2
研究概要

近年の分子生物学的研究の進展により、大部分のヒト癌細胞が、p53、Rb、Cyclin D、p16など細胞周期G1期を制御する機構に異常を持つことが明らかになってきている。このため、正常細胞とは異なり、癌細胞はDNA傷害をきたす抗癌剤に対し、細胞周期G1期に停止して傷害を取り除くことが出来ず、かわりに、もう一つのDNA傷害チェックポイントが存在するG2期に停止することにより抗癌剤の攻撃から自身を守っている。そこで、我々は、正常細胞ではあまり機能していないG2期チェックポイントを選択的に破壊することにより抗癌剤感受性増強が出来ると考え研究を進めてきた。その結果、現在までに、以下のような研究の進展が見られている。
1)Cdc25Cを模倣した11アミノ酸からなる合成ペプチドが、燐酸化酵素Chk1/2を阻害することにより、G2期チェックポイントを破壊することを発見した。
2)このペプチドを様々に変化させることにより、さらに単純な構造をしたペプチドにより同様の効果を確認できた。
3)上記ペプチドを用いて、選択的細胞周期G2期チェックポイント破壊が、正常細胞への影響なく癌細胞の抗癌剤感受性を上昇させることを確認できた。
4)燐酸化酵素Chk2阻害剤のマススクリーニング系を樹立した。
5)これまでに発見されていないG2期チェックポイント機構解析のための研究から、Cdc25CとPCNAが、G2期からM期の移行期に一過性に結合することを発見し、新たなG2期チェックポイント機構存在の可能性を示した。
6)G2期チェックポイントの最上流と考えられるDNA傷害センサーは、ヒトでは明らかになっていないが、HRAD9遺伝子のターゲティングにより、HRAD9が、実際にG2期チェックポイントに係わっている可能性を示すことが出来た。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 楊建平 他: "NF-kB subunit p65 binds 53BP2 and inhibits cell death induced by 53BP2"Oncogene. 18. 5177-5186 (1999)

  • [文献書誌] 菅沼正司 他: "Sensitization of cancer cells to DNA damage-induced cell death by specific cell cycle G2 chechipoint abrogation"Cancer Research. 59. 5887-5891 (1999)

  • [文献書誌] 河邊拓己 他: "環境因子と細胞周期"蛋白質核酸酵素. 44・15. 2501-2506 (1999)

  • [文献書誌] 手塚俊文 他: "Inhibition of Nuclear Factor-kB-mediated Transcription by Association with the Amino-terminal Enhancer of Split,a Groucho-・・・"The Journal of Biological Chemistry. 275・6. 4383-4390 (2000)

  • [文献書誌] 岡本尚 他: "Antioxidant and redox regulation of genes"Academic Press Inc.. (2000)

  • [文献書誌] 河邊拓己 他: "最近電気泳動実験法"日本電気泳動学会. 1 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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