研究課題/領域番号 |
11878173
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安斉 順一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40159520)
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研究分担者 |
陳 強 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教務職員 (50281978)
星 友典 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50302170)
鈴木 巌 東北大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (30226493)
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キーワード | 免疫センサー / 抗体薄膜 / 精密密製造法 / 抗体 / 薄膜 |
研究概要 |
アビジンとビオチン標識抗体(抗フルオレセインイソチオシアナート、抗FITC)を用いて、抗体累積膜の作製条件を詳細に検討した。抗体累積膜を作製する基板として、ジクロロジメチルシランで処理して表面を疎水性にした石英板が適切であることがわかった。表面処理を施さない石英板では良好な累積膜が作製できにくいことが示された。疎水性石英板(50x10x1mm)を0.1mg/mlアビジン溶液(ダルベッコリン酸緩衝液生理食塩水、D-PBS)に約4℃にて約30分程度浸すと、表面に吸着したアビジンがほぼ単分子層が生成することが明らかになった。このアビジン吸着石英板をD-PBSで洗浄後、0.01mg/ml抗FITC溶液(D-PBS)に約4℃にて約30分程度浸すと、アビジンとビオチンの特異結合により抗FITCが吸着することが判明した。また、アビジンと抗FITCの吸着操作を繰り返し行うと、これらが交互に吸着した累積膜が形成することがわかった。この抗体累積膜の形成挙動の解析は、累積膜が形成された石英板の紫外可視吸収スペクトルを測定することにより行った。 次に、作製した抗体累積膜の抗原結合特性を検討した。抗原としてFITC-グリシンを使用した。抗体累積膜をFITC-グリシン溶液に室温にて約1時間浸して、結合量を紫外可視吸収スペクトルにより定量した。その結果、抗体累積膜の表面から4〜5層の抗体は抗原を結合することが判明した。しかし、累積膜の内部の抗体は抗原を結合することができなかった。これは、抗原分子が累積膜内部に浸透することができないためと考えられる。この点については更に改善を行う予定である。
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