研究課題/領域番号 |
11878173
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安斉 順一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40159520)
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研究分担者 |
星 友典 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50302170)
鈴木 巌 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (30226493)
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キーワード | 抗体薄膜 / 精密密製造法 / 免疫センサー / 薄膜 / 抗体 |
研究概要 |
抗体累積膜を作製するためにアビジンとビオチン標識抗フルオレセインイソチオシアネート(抗FITC)を交互に基板表面に累積固定化する方法の最適化を実施した。これらの溶液(1mg mL^<-1>)に基板を浸して吸着させる方法では、吸着条件をどのように変化させても、作製される抗体累積膜中の抗FITCは表面の4・5層程度しか抗原を吸着しないことが確認された。この点を改善するために、抗原物質が累積膜内部に拡散し易い環境とするべく、不活性タンパク質や合成高分子との混合累積膜を作製して抗原吸着特性を検討した。不活性タンパク質としては血清アルブミン(BSA)、合成高分子としてはポリアリルアミン(PAA)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニル硫酸(PVS)、およびポリスチレンスルホン酸(PSS)などを組み合わせて使用した。アビジンは正電荷を有しており表面にPVSやPSSを吸着した。さらにその表面にPAAやPEIを吸着させることにより合成高分子とアビジンや抗体を含む混合累積膜を作製することができた。BSAは抗体と混合して用いた。これらの混合抗体累積膜を用いて抗原結合特性を検討したが、アビジンと抗体だけの累積膜と同様に、抗原を結合するのは累積膜の表面から4・5層の抗体のみであった。このことは混合抗体累積膜としても累積膜内部の抗原の拡散し易さは改善されていないことを示唆する。別の原因として、抗体の変性による抗原結合活性の消失も考えられるが現時点で原因は特定できない。
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