研究分担者 |
長島 弘明 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (00138182)
岸本 美緒 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80126135)
今村 啓爾 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70011765)
越塚 登 東京大学, 情報基盤センター, 助教授 (40262266)
田村 毅 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90011379)
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研究概要 |
I 象形文化アーカイブ構築のための各種資料の収集・整理・記載 (1)ローマ、ポンペイに関する資料の収集・整理・記載 ローマに現存する古代の遺構・遺物等の文化財および歴史的景観の写真撮影を1,200件以上行い、それらの整理・記載を和伊2カ国語で行う。ポンペイに関しては資料収集のための写真撮影チームを派遣し写真5,000点以上、ビデオ約24時間相当、QTVR約30件を入手し、整理・記載を和伊2カ国語で3,400件行う。以上の作業にはナポリ大学よりイタリア人研究者を招聘し、協力を得た。なお、ローマ、ポンペイいずれの場合も学術上の使用及びインターネットによる発信に関して一定範囲内での著作権を確保しいるが、インターネットにのせる画質に関しては制約が大きく、現在イタリア文化財省と交渉中である。 (2)フィレンツェ、スティッベルト美術館における資料の収集・整理・記載 NTTが開発した超高精細デジタルカメラ(4K×5K:16bit)によって平成11年度に撮影し美術品の整理・記載を和伊2カ国語で行った。また超高精細デジタルカメラによる撮影資料が学術資料として使用可能かどうかを調査研究した。以上の作業にはスティッベルト美術館より学芸員を招聘し、整理・分類・記載等で協力を得ることができた。なお、学術上の使用及びインターネットによる発信に関して一定範囲内での著作権を確保した。 (3)日本中世・近世の肖像画資料の収集・整理・記載 東京大学史料編さん所所蔵の肖像画資料約100点の写真撮影を行い、現在整理・記載をおこなっている。 (4)過去25年間に撮影した写真資料の整理・記載 古代地中海文化の遺構・遺物等の写真約8,000点のうち約3,000点の整理・記載を和伊2カ国語で行った。これらの写真の大部分はモノクロフィルム(6×6cm,4×5inc)であるため、デジタル画像化の難点であるモノクロ画像の画質向上を合わせて検討中である。この作業にはイタリア人研究者の協力を得ると同時に、ローマにあるドイツ考古学研究所及びパリの国立博物館でも同定等に関して専門家の協力を得ている。なお記載言語として独語、仏語、英語を部分的に採用し、検索システムの開発研究に活用する予定である。 II 学術資料としてのアナログ写真とデジタル画像の比較研究 すでに撮影した被写体を観察しながら、銀塩写真とデジタル画像の画質を比較研究すると同時に、保存・分類・比較等の要件にそれぞれがどのような特性を有しているかを検討した。最終的成果もしくは結論は来年度末までかかると考えられるが、デジタル化にあたって銀塩写真の重要性が確認されており、今後どのような保存法と整理法を確立し、「原典」としての銀塩写真の価値を確立するかが課題である。 III 象形文化アーカイブ構築のための記載方法の研究 銀塩写真・デジタル画像の学術資料化に必要な多国語による記載の要件と方法をI-(1),(2),(3),(4)などの抽出サンプルにもとづきながら研究中である。とくに各国語によって異なる地名などの固有名詞については、対照表に基づく辞書を象形文化アーカイヴに内蔵することも検討中である。 IV 象形文化アーカイヴのアーキテクチュアに関する研究 大規模画像データベースを核とする象形文化アーカイブのアーキテクチュアに関して、日本語を含む多国語使用を前提として開発研究を初期段階を行った。この開発研究においては日立製作所試作開発センターの協力を得ながら、画像データの検索システムの構築だけでなく、検索に使用可能な「共通言語」の策定、画像データの属性の増大など将来の研究データとして活用しうる方策導入を研究課題としている。 V 文書・文献資料の象形文化アーカイヴへの導入・活用方法に関する研究 文書・文献資料を写真撮影し各種のデジタル化を行うことによって、また文字のデジタル化によって象形文化アーカイヴへいかに導入し、活用し得るかを研究を開始した。
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