研究課題/領域番号 |
11F00387
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堂免 一成 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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研究分担者 |
WANG Daoai 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | 光触媒 / 水分解 |
研究概要 |
本研究ではナノ構造制御および異種接合界面を巧みに利用した水分解用光触媒の開発を行う。ナノ構造や界面を制御することによって光励起キャリアの分離・キャリア移動の促進を図り、水分解活性向上および可視光応答型光触媒での水の全分解反応達成を目的とする。 平成23年度には水素生成活性の高いメソポーラスTiO_2ナノチューブの合成に成功した。本手法では簡便、低コストで光活性を有するアナターゼTiO_2を得ることができ、大面積化も可能である。得られたメソポーラスアナターゼTiO_2は通常の熱処理によって得られる結晶性TiO_2よりも約1.9倍高い水素生成活性を示した。本手法によってTiO_2ナノ構造の形態や結晶性制御が可能になると考えられ、色素増感太陽電池やリチウムイオンバッテリーの高性能化への展開も期待できる。 また、水分解活性の向上を図り、コア/シェル型構造のTa_3N_5光触媒の合成を行った。シリカ粒子上にゾルーゲル法によって酸化タンタルを合成し、窒化処理を行うことでTa_3N_5/SiO_2を得た。その後、SiO_2を溶解させることで、中空のTa_3N_5殻が得られた。さらにTa_3N_5殻の内側には水素生成用助触媒、外側には酸素生成用助触媒を修飾することに成功した。機能の異なる助触媒を空間的に分離して修飾することで、逆反応や電荷再結合を抑制できると期待できる。詳細な調整条件の検討と水分解活性評価を進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りにナノ構造を有する光触媒の調製に成功しているため。
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今後の研究の推進方策 |
修飾法や調製法を詳細に検討することで水分解活性の向上を図る。
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