研究課題/領域番号 |
11F01017
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
BRENDLE Jorg 神戸大学, システム情報学研究科, 准教授
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研究分担者 |
RAGHAVAN Dilip 神戸大学, システム情報学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | 数学基礎論 / 集合論 / トポロジー / 測度論 / 強制法 / 組合せ論的集合論 / 記述集合論 |
研究概要 |
平成23年度は、強制法の理論と実数の集合論とその相互関係について共同研究を行った。特に、極大のほとんど交わりがない集合族(mad families)とそれらに関連する連続体の基数不変量を反復強制法などの組合せ論的集合論の技法を用いてより深く調べた。主な研究成果は下記通りである。 (1)Mad families constructed from Borel almost disjoint families.外国人特別研究員はSaharon Shelahとの共同研究で、dominating number dとKhomskiiと受入研究者の最近の研究で導入されたBorel almost disjointness number a(Borel)の二つの基数不変量の関係を調べた。a(Borel)とは、その和集合が無限なmad familyとなるようなボレルなほとんど交わりがない集合の族の最小の濃度である。RaghavanとShelahはd=ω_1ならばa(Borel)=ω_1を証明し、また、巨大基数の無矛盾性のもとでd<a(Borel)の無矛盾性を得た。 (2)Mad families and splitting families.外国人特別研究員と受入研究者はalmost disjointness number a,unbounding number bとsplitting number sの関係について研究を行い、mad familyを破壊するMathias forcingがどの条件のもとでdominatingな実数やunsplitな実数を付け加えるかと調べた。また、RaghavanはMildenbergerとStepransの共同研究で、sの新しい特徴付けを用いて、Shelahの完全に分離可能なmad familiesについての問題を部分的に解いた。 研究の計画通り、科学研究費補助金を主に海外研究協力者との共同研究を行うために必要である旅費として使用した。例えば、Raghavanは上記の(1)のShelahとの共同研究を2011年9月のRutgers大学への訪問と2012年3月のHebrew大学への訪問の際に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
もとの研究計画の一つのテーマであるmad familiesについての研究の目的を非常によく達成している。特に、期待されていないa(Borel)についての成果を得ている。しかし、もう1つのテーマであるMichaelの問題についての研究が期待より複雑であり、もっと時間がかかる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)mad familiesについての外国人特別研究員と受入研究者の共同研究を継続して、s=b=ω_1かつa=ω_2の無矛盾性などの新しい強制法による独立性結果を証明することを試みる。 (2)MooreのMichael空間の存在の特徴付けがLaverのモデルにおいて成り立つことを証明することによって、Michaelの問題の解決に貢献することが期待される。
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