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2011 年度 実績報告書

炭素質コンドライト中のリンと酸素に富む硫化物の起源と重要性

研究課題

研究課題/領域番号 11F01025
研究機関北海道大学

研究代表者

圦本 尚義  北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授

研究分担者 AICHENG Zhang  北海道大学, 大学院・理学研究院, 外国人特別研究員
キーワード隕石 / コンドライト / リン / 酸素 / 同位体 / 硫化物 / 太陽系 / 化学
研究概要

地球の水が何処から来たのかは,地球惑星科学における重要な未解決問題の一つである.地球の水の起源は太陽系の水の起源へと直接結びついている.近年,コンドライト母天体のような太陽系始原天体における水の起源が酸素や水素の同位体研究により考察することができる様になってきた.また,始原天体に取り込まれる前の原始太陽系星雲中の水蒸気の同位体的性質も受入研究者のグループにより解明されつつある.これら一連の研究の進展によると,太陽系始原水の研究は,従来の粘土鉱物の研究に加え,リンと酸素と硫黄に富む物質の研究が重要であることがわかってきた.
本研究の意義は,このリンと酸素と硫黄に富む物質のうちリンと酸素に富む硫化物に注目して,その同位体的性質とナノメーターレベルの結晶学的組織を解明することにより,太陽系の水の起源と進化を明らかにする事である.この包有物は,申請者により,炭素質限石中に発見されたものであり,新物質である可能性がある.この新物質の成因を解明するために,酸素同位体組成とナノスケールレベルの結晶構造と組織解析を行い,このリンと酸素に富む包有物の成因を解明することにより,初期太陽系に存在していた始原水の解明を行う.本年度は以下の研究成果が得られた。
(1)炭素質阻石Murchison CM2とGRV021536 CM2の薄片試料を作成した,
(2)作成した阻石試料中からリンと酸素に富む硫化物を岩石顕微鏡により観察した.
(3)リンと酸素に富む硫化物の岩石組織を,フィールドエミッション型走査顕微鏡(FE-SEM)により観察した.(4)X線マイクロアナライザー(EPMA)により,リンと酸素に富む硫化物とその周囲の硫化物や水質変成鉱物の結晶化学を明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画の通りおおむね順調に研究が進行しているため.

今後の研究の推進方策

研究計画に基づき以下の研究を順次進行して行く.
(1)同位体顕微鏡を用いたリンと酸素に富む硫化物の酸素同位体比測定法の開発を行う.
(2)リンと酸素に富む硫化物について同位体顕微鏡により分析し,酸素同位体比を決定する.
(3)リンと酸素に富む硫化物の酸素同位体比の値とその不均質と阻石の水質変成との間の関係について考察をおこなう.
(4)リンと酸素に富む硫化物の成因について考察をおこなう.
(5)以上の結果をまとめ国内学会および国際学会において発表する.又,結果を国際誌に論文投稿する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Formation of the sapphirine-bearing Al-rich chondrule in the DaG 978 carbonaceous chondrite : preliminary mineralogical and oxygen isotopic results2011

    • 著者名/発表者名
      Zhang, A.C., Itoh, S., Yurimoto, H., Sun, Q., Wang, R.C.
    • 学会等名
      Workshop on Formation of the First Solids in the Solar System
    • 発表場所
      シェラトンカウアイリゾート(アメリカ)
    • 年月日
      2011-11-07

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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