研究課題/領域番号 |
11F01054
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
社本 英二 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授
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研究分担者 |
SENCER Burak 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | トライボロジー / 機械要素 / 気体軸受 / 進行波 / 非接触浮上 |
研究概要 |
著者らは、軸受面の外周から中央へ向かう進行波を発生させることで強力な浮上力を発生する非接触流体軸受を発案している。本軸受は、従来原理の実用上の限界を超える軸受圧力(耐荷重)を発生し得る可能性を持ち、原理的に電気的制御性を有し、吸着から浮上までの広い範囲で、高い応答性(流量が少ないため)を実現し得ることが期待される。そこで本研究では、進行波軸受原理により、従来原理の限界を超える性能(高剛性、高耐荷重、制御性)を有する精密軸受の実現を目指している。 本軸受は、上記のように独創的な原理によって、従来にはない多くの特長を有している。しかし、研究としては初めての試作機によって非接触浮上が確認された初期段階にある。このため下記研究を実施し、従来原理では実現し得なかった超精密、高剛性、高耐荷重、制御性を有する軸受開発を試みた。 まず今年度は、軸受すき間内の流体解析モデルを構築した。具体的には、軸受すき間内の流体(空気)を有限要素に分割し、軸受面側に進行波の形状変化を与え、連続の式およびナビエ・ストークス方程式を有限要素法によって解くことによって、流体の流速分布と圧力分布を得た。次に,この解析モデルを利用して解析的に進行波の周波数、形状、振幅などを最適化することで、軸受性能すなわち剛性、耐荷重、応答性などを向上するとともに、その限界を明らかにすることを試みた。その結果、例えば進行波の周波数は高ければ良いわけではなく、軸受の寸法等に依存する最適値が存在することなどが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に大きな問題等が発生しなかったことから、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
順調に進展していることから、今後も研究計画に沿って開発を進める。
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