研究課題/領域番号 |
11F01058
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
千住 智信 琉球大学, 工学部, 教授
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研究分担者 |
DATTA Manoj 琉球大学, 工学部, 外国人特別研究員
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キーワード | スマートグリッド / 太陽光発電 / 系統周波数制御 |
研究概要 |
地球温暖化対策や化石燃料の枯渇に対処するため大型の太陽光発電設備が国内外で多数導入されている。たとえば日本国内では、数年内に数MW~数十MW程度のメガソーラー発電システム(メガソーラー)が導入予定である。このような傾向はさらに加速することが予測されており、国内外においても急速にメガソーラーの導入が進展しつつある。このような状況で問題になるのはメガソーラーを電力系統に連系する場合に生じる電力系統の安定性の問題である。大規模な電力系統へメガソーラーを導入する場合の研究はこれまでに多数の研究者が取り組んでいる。すなわち、メガソーラーを電力系統へ大規模に連系すると発電電力の変動によって電力系統周波数ばかりでなく系統電圧も大きく変動することになり、高価な蓄電池を導入することなくメガソーラー側で対処することが望まれる。 本年度は、先ず太陽電池から最大電力を常に得るための技術として太陽電池の最適動作点制御法を開発した。本制御手法の導入により、得られる日射量から最大の発電電力を得ることが可能である。メガソーラー発電設備において太陽電池パネルが敷設されている面積は広大であるため、部分影に対する対処法が特に重要となる。本研究では、パネル面に部分影が生じても短時間で最適動作点を検出できるため、曇天時においても最大の発電電力量を得ることが可能である。 電力系統へメガソーラー発電設備を大規模に導入すると系統周波数ならびに系統電圧の変動を生じる可能性がある。本研究では、電力系統の動特性を考慮して系統周波数を制御する手法を開発した。系統周波数をオンラインフィードバック制御することにより、これまで火力発電機で制御していた系統周波数をメガソーラー発電設備で制御することが可能となった。このため、火力発電機が高出力の高効率運転が可能になることから、重油使用量の低減が可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した提案内容が研究成果として発表できた。また、研究成果として発表された学術論文は査読有りでインパクトファクターも比較的高いことから世界的視点から概ね順調に研究が進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
太陽光発電設備の基本的な制御方法が研究成果として得られたため、実電力系統への適用を考えるために重電メーカーや電力会社等と産学連携研究を推進したい。
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