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2013 年度 実績報告書

マイクロサテライトDNA解析による南・東アジアのリーシュマニア症の分子疫学

研究課題

研究課題/領域番号 11F01096
研究機関北海道大学

研究代表者

片倉 賢  北海道大学, 大学院獣医学研究科, 教授

研究分担者 ALAM M.z.  北海道大学, 大学院獣医学研究科, 外国人特別研究員
キーワードリーシュマニア / マイクロサテライトDNA / 原虫 / 系統樹 / 南・東アジア / 中国 / パキスタン / バングラデシュ
研究概要

内臓リーシュマニア症はイヌ科動物が保虫宿主となる節足動物媒介性の人獣共通原虫性疾患である。本疾患はアジア各地への拡大が懸念されており、その対策には疫学情報の蓄積が不可欠である。近年、マイクロサテライトDNAを用いた解析方法(MLMT)が開発され、同一原虫種の株間の区別や系統解析において、その有用性が示されている。本研究の目的は、Dr. Alamと共同して(1)中国のリーシュマニア株のMLMTを行い、原虫の侵入と分布拡大のメカニズムを明らかにする。(2)パキスタンのリーシュマニア株のMLMTを行い、原虫の侵入と分布拡大のメカニズムを明らかにする。(3)バングラデシュのイヌの抗リーシュマニア抗体保有率とリーシュマニアDNA保有率を調査することである。平成25年度はパキスタンのLeishmania major株のMLMTを行った。すなわち、L. majorのDNAが検出された人の皮膚生検材料66検体について10のマイクロサテライトマーカーを用いてPCR増幅を行い、集団構造、遺伝的距離、系統樹、遺伝子座多様性を解析した。その結果、パキスタンで見出されたL. majorは2つの集団、すなわち32検体からなるA集団と34検体からなるB集団にわかれた。各国で分離され既に解析済みのL. major130株と比較したところ、パキスタンのA集団とB集団はそれぞれ、中央アジア、イラン、中近東そしてアフリカの株とは異なる集団であることが明らかになった。今回調査したパキスタン南部の皮膚リーシュマニア症の流行地はイランに隣接しているため、隣国イランとの関係が深い原虫株であることを予想していたが、パキスタンの株はイランとは明らかに異なる集団であり、独自に進化した可能性が考えられた。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Genetic diversity of Leishmania donovanl/Infantum complex in China through microsatellite analvsis.2014

    • 著者名/発表者名
      Alam, et al.
    • 雑誌名

      Infection Genetics and Evolution

      巻: 22 ページ: 112-119

    • DOI

      10.1016/j.meegid.2014.01.019

    • 査読あり
  • [雑誌論文] リーシュマニア症の分子疫学 : 南・東アジアを中心として2013

    • 著者名/発表者名
      片倉 賢
    • 雑誌名

      獣医寄生虫学会誌

      巻: 11 ページ: 61-70

  • [学会発表] Multilocus microsatellite typing of Leishmania infantum parsites from China2013

    • 著者名/発表者名
      Alam, et al.
    • 学会等名
      Fifth World Congress on Leishmaniasis
    • 発表場所
      Enotel Resort & Spa, Proto de Galinhas(ブラジル)
    • 年月日
      2013-05-14
  • [備考]

    • URL

      http://www.vetmed.hokudai.ac.jp/gsexaminationnew/detail/animal/parasitology/

URL: 

公開日: 2015-06-25  

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