研究課題/領域番号 |
11F01101
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
田中 英明 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授
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研究分担者 |
GIASUDDIN Ahmed 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 外国人特別研究員
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キーワード | DCC / draxin / 遺伝子欠損マウス / netrin / 軸索ガイダンス / ドラキシン / Neogenin / Unc5 |
研究概要 |
我々の見出した軸索ガイダンス分子draxinは分泌型タンパクであるために、その受容体の同定が必須である。これまで脳のcDNAライブラリーを用いた発現クローニングからdraxinの結合する膜タンパク分子を探索したが成功しなかった。次に、draxinの遺伝子欠損マウスの表現型と似る既知軸索ガイダンス分子の受容体や膜タンパクを候補分子として探索した。その結果、netrin受容体と知られるDCCがdraxinのシグナルを伝える受容体の一つであることを明らかにした。DCC遺伝子欠損マウス由来の神経細胞のdraxin感受性は減少し、DCC(+/-)draxin(+/-)ダブルヘテロマウスの脳梁形成はDCC(+/-)とdraxin(+/-)シングルヘテロマウスと比較して著しく阻害されたことから、DCCとdraxinには遺伝子相互作用が存在することを明らかにした。これらの結果から、DCCがdraxin受容体であると結論出来た。draxinはnetrinが結合する部位とは異なるDCCの部位に結合し、競合はしなかった。さらに、DCC遺伝子欠損神経細胞のdraxin感受性が完全には消失しないことからDCC以外の受容体が存在すると考えられるが、netrin受容体であるNeogenin、Unc5、DsCAMにもdraxinは結合することを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DCCがdraxinの受容体として機能することを論文として報告しただけでなく、DCCの別のリガンドnetrinによる短時間の前処理により、draxin結合が増強されることを見出した。DCCの共受容体探索とともに次の論文の可能性が見出せた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の課題は、Neogenin、Unc5、DsCAMがdraxinに結合するだけではなく、そのシグナルを伝える受容体であるかどうかを明らかにするため、これらの遺伝子欠損マウスを準備し、その神経細胞を用いたバイオアッセイを計画中である。また、DCC単独ではdraxinの反発性のシグナルは伝えられないため、DCCの共受容体分子も探索中である。
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