研究課題/領域番号 |
11F01107
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山崎 晶 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授
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研究分担者 |
VONGSAVANH Phongsisay 九州大学, 生体防御医学研究所, 外国人特別研究員
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キーワード | レクチン / ギランバレー / 糖脂質 |
研究概要 |
1) campylobacter jejuni由来糖脂質を認識する受容体の探索 佐賀大学原博士との共同研究により、C型レクチンを含む様々な細胞表面受容体の可溶性Ig融合タンパクを調整し、固相化糖脂質に対する結合活性を網羅的に解析した。その結果、これまで知られていなかった様々な受容体-リガンドのペアを同定することができた。同定した結合は、さらにこれらの受容体とNFAT・GFPを発現させたレポーター細胞を川いて受容体活性化を伴う結合であるか否かを調べ、CD300bが有力な受蓉体の候補と考えられた(投稿中)。 2) CD300bが有するアジュバント活性の解析 CD300bの細胞外ドメインがNFkB活性化能を有することを見出した。横々な受容体に対する作用を調べたところ、可溶性CD300bはTLR4を介して自然免疫活性化を誘導することが判明した(投稿中)。 3)サルファチドによる免疫抑制作用の解明 ギラン・バレー症候群IM者における自己抗体(抗GM1抗体)の多くが、硫酸化糖脂質として知られるサルフアチドにも交差反応するという報告から、当初自己抗原としてのサルファチドの機能に注目して解析を行った。ところが、研究の過程でサルファチドが免疫応答を抑制する活性を有することを見出しつつある。 マウスにサルファチドを投与すると、自己免疫疾患モデルである実験的アレルギー性神経炎(experimental autoimmune encephalomyelitis : EAE)炎症を抑制することを見出した。また、in vitroにおいても、マウス骨髄由来マクロファージ、マウス骨髄由来樹状細胞を様々なリガンドで刺激した際の炎症性サイトカイン産生をサルファチドが抑制することを見出した(投稿準備中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規糖脂質受容体を見出した。また、ギランバレー症候群に関与する候補糖脂質が、免疫系を抑制する活性を有することをin vivoで証明した。CD300bの細胞外ドメインがNFkB活性化能を有することを見出した。様々な受容体に対する作用を調べたところ、可溶性CD300bはTLR4を介して自然免疫活性化を勝導することが判明した。
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今後の研究の推進方策 |
ギランバレー症候群に関与し得る中枢神経系糖脂質の、実験的自己免疫性脳脊髄炎抑制作用を担う抑制性受容体を同定する。現在、抑制効果が認められない細胞株を見出している。この細胞株に、既に強い抑制作用を見出している細胞より作製したcDNAライブラリーを導入し、活性が両現できたクローンより導入遺伝子を同定する。
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