研究課題
1.歯根形成に及ぼすhonokiolの生物学的作用我々は、honokiolが腎皮膜下に移植した歯胚の歯槽骨と歯周組織の形成を促進することを見いだした。また、歯根形成にSonic Hedgehog(Shh)シグナルが重要であることも明らかにした。さらに、honokiolがHERSOla細胞(歯根形成に必要な上皮細胞の性状を維持した細胞株)でShhの標的遺伝子であるglilとptclの発現を上昇させ、その発現はShhの阻害剤で低下することを示した。さらに、honokiolは歯根膜細胞のFGF18の発現を上昇させ、FGF18がHERSOla細胞のShhの発現を上昇させることも示した。現在、honokiolの歯根成長に及ぼす作用をin vivoの実験で検討中である。2.口腔癌による骨破壊のメカニズム我々は、口腔癌が骨を破壊する時にIL-6とPTHrPが重要であることを報告し、腫瘍細胞と間質細胞の産生するRANKLも骨破壊で重要な役割を担っていることを報告している。そして、口腔癌による骨破壊のメカニズムを検討するために、口腔癌細胞株(HSC3)より、間質細胞のRANKL発現誘導能の高いクローン(HSC3-C13)と低いクローン(HSC3-C17)を分離し、これらの細胞間における遺伝子発現の差異をマイクロアレイ解析で検討した。その結果、CXCL2の発現がHSC3-C13で高く、HSC3-C17で低く、このケモカインが口腔癌から産生され、間質細胞のRANKL発現を上昇させる一つの因子である可能性が示された。現在、CXCL2の作用をin vivoの実験系で検討中である。
2: おおむね順調に進展している
Honokiolの骨形成促進作用ととに歯根形成促進作用も見いだしている。さらに、口腔癌の骨破壊でCXCL2が受容な役割を担う可能性を示す結果を得ている。
当初の予定に入っていなかった口腔癌による骨破壊の研究も推進する。
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