研究概要 |
人工ゲージ場により中性原子気体に生じたスピン・軌道相互作用のもとでのBECの分類法の研究を行い、強いスピンー軌道相互作用をする(擬)スピン1/2,1,2のスピノルボース・アインシュタイン凝縮(BEC)の基底状態を対称性に基づいて分類する方法を開発した。SO(2)スピン・空間回転対称性から離散対称性へと対称性の破れが起こると、光格子ポテンシャルが存在しなくても系は自発的に格子構造を発現することが見出された。例えば、擬スピン1/2の系では2種類のカゴメ格子が現れる。また、スピンが2のBECでは1軸と2軸のネマティック相が交互に並んで格子を組むことが見出された。擬スピン1/2の系では、平均場状態は時間反転対称性を常に破るが、多体的な基底状態では時間反転対称な基底状態が存在することが示される。この状態は分裂した凝縮体と呼ばれ、原子数が小さな凝縮体で実現されるものと期待される。この研究はPhysicalReviewA誌に掲載された(Z.F.Xu, Y.Kawaguchi, L.You, and M.Ueda, Phys.Rev.A86,033628)。
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