研究課題/領域番号 |
11F01334
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
門出 健次 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 教授
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研究分担者 |
CHANNAPILLE Kopp 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 外国人特別研究員
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キーワード | キラリティー / スフィンゴシン / 化合物ライブラリ / ファイトスフィンゴシン / 樹脂 / 捕捉 / 光学異性体 / グルタルアルデヒド |
研究概要 |
光学活性化合物として、昨年に引き続き、生理活性脂質であるスフィンゴシン類の合成、キラル分析を行った。スフィンゴシンは、理論的に4種の異性体が存在するが、その分析は極めて困難であった。昨年度合成した、4種の標準物質を使用し、キラルカラムを使用したキラル分析法を立ち上げた。OPAを使用した蛍光誘導化を併用することにより、4種の光学異性体を30分程度で分離・分析することに成功した。また、簡便な識別法開発をめざし、L-システイン誘導化を実施、通常のシリカゲルクロマトグラフィによる分離を試みた。 化合物の幅を広げるため、セラミドタイプより、より入手容易なファイトスフィンゴシンの有効利用を計画した。ファイトスフィンゴシンの有効利用のため、4種の官能基の選択的保護が必須になるが、そのため、グルタルアルデヒドを利用した。設計通り、グルタルアルデヒドはファイトスフィンゴシンの3つの官能基を選択的に一度に保護する能力があることが判明した。また、脱保護の条件を検討した結果、TFAを使用することにより、良好に回収できる事を発見した。 スフィンゴシンの効率的抽出法の開発を目指して、スフィンゴシンを選択的に補足する樹脂の合成を実施した。スフィンゴシンの官能基に選択的に反応するグルタルアルデヒド誘導体を多段階合成し、市販樹脂とカップリングさせた。更に、スフィンゴシン及びファイトスフィンゴシンの補足条件を検討した。 αアミノスルフォン酸類のスルフォンアミド化に挑戦する。αアミノスルフォン酸類のカップリング条件と保護基の検討を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4種の異性体の分離方法の立ち上げに成功し、そのおかげで、過去のサンプルをチェック可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
また、化合物の幅として、ファイトスフィンゴシンへと拡張できた。 VCDによる立体化学解析において、柔らかい分子の形が問題となってくる。モデルで計算を実施することを検討する。
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