研究課題/領域番号 |
11F01345
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉山 弘 京都大学, 理学研究科, 教授
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研究分担者 |
ARIVAZHAGAN Rajendran 京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | DNA origami / B-Z conformation / DNA nano device / Atomic force microscopy / DNA self-assembly / Single-molecular study / Real-time analysis / Conformational change |
研究概要 |
理学研究科化学専攻生物化学研究室ではDNAオリガミの手法を用いて、これまでにない様々な人工ナノ構造体を構築している。中でもDNAフレームは蛍光標識などのラベル化を行うことなく、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて酵素反応を直接観測することに成功している。DNAオリガミ法は自己組織化を利用した新しい方法論として2006年に報告されたものであるが、DNAオリガミ法を生物化学研究に利用したものとしては世界で最初のものである。23年度は研究計画として、DNAのB-Z confomational transitionをDNAフレームと呼ぶナノ構造体を構築しこれを用いてB型からZ型への構造変化をその変換を理学研究科にある現有の原子間力顕微鏡を用いて観察する。評価した。このDNAフレームは、B型からZ型への構造変化をリアルタイムで観察できるようにフラッグが装着されており、マグネシウムイオンを変化させることによってこのフラッグが上に向くか下に向くかを数えることによって、B型とZ型の割合を見積もることができるシステムに設計した。そのDNAフレーム内にはコントロールとして左巻きをとらないDNAも配置し評価した。これらのナノチップは、これまでに明らかになっていないZ型構造誘導因子やZ型構造に対して結合する小分子の機能評価が可能になる、画期的なシステムであり、現在論文として発表する準備をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
B型からZ型への構造変化を定量的にまために見える形でリアルタイムで観察できるようにフラッグが装着されたシステムは、これが初めての例であり様々な系に利用できる。また単分子で見れる点も今後の展開として注目される。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きDNAオリガミ法を用いてDNAフレームを用いて評価を行うが、まだ精度という点で改良の余地がある。DNAフレームの設計の改良も含めてデザインの改良を行う。同時に、この計測系で初めて観測できる蛋白や小分子の結合によるB型からZ型への構造変化などの応用例についても探索してゆきたい。
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