研究概要 |
まず,研究分担者ディバワ氏がこれまでに行ってきたユーモア(駄洒落)生成に行った研究成果をとりまとめ,本の1章として出版した。次に,ユーザの入力をシステムが使って検索する駄洒落の候補が膨大になることがあるが,この候補データの総量を減らし,妥当な候補だけをはじめから見つける手法を提案した。さらに,JSAI2012(第26回人工知能学会全国大会)の国際オーガナイズドセッションでの発表予稿集(審査つき)として,ユーモア生成システムを応用し,ユーモアの効果を持つ隠喩を生成するシステムの構想を提案した。以下,平成23年度に行った研究の概略を具体的に述べる。 (1)Dybala氏のこれまでの研究を総括し,人(ユーザ)にユーモアで応答するシステムの研究のAIの研究分野での位置づけを行った。(2)ユーモア(駄洒落)の候補となる情報の検索量を減らすアルゴリズムを提案した。さらに,評価実験を行い,アルゴリズムを適用しない場合と適用した場合とを比較し,適用した場合に検索効率がどの程度向上するかを調べた。(3)メタファーをユーモラスに誤解してみせる会話システムの構想を提案した。このアルゴリズムでは,既知のメタファーだけでなく,新奇なメタファーをも処理できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者Dybala氏がこれまでに行ってきた研究を総括し,これから行うメタファーをユーモラスに誤解し,ユーザの感情を肯定的にし,ユーザのシステム仕様の動機を高めるシステムの構想を行った。平成23年の後半に補助金の採択が決まってからまだ半年余りしか経過していない。その間に行えることとしては,このくらいが妥当と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の方向性を審査付き学会発表にできた。今後はその明確な方針に従って,直喩や隠喩をWebから収集する作業を始める。基本的には科研費の申請書の通りに計画が進んでいる。当初に計画に沿って成果も出てくることが期待される。 vol.,Article ID 107310,12pages,2011.doi:
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