研究課題/領域番号 |
11F01354
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
丸山 隆浩 名城大学, 理工学部, 教授
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研究分担者 |
GHOSH Ranajit 名城大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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キーワード | カーボンナノチューブ / 触媒 / CVD / カイラリティ |
研究概要 |
実用レベルでコストの安いカーボンナノチューブ(CNT)電子デバイス作製のためには、バンドギャップのそろった半導体型CNTを同時に生成する技術が不可欠である。CNTの電子構造は直径やカイラリティにより決定されるため、上記を実現するには"CNTのカイラリティの単一化"を達成することが重要となってくる。本研究では、高真空アルコールガスソース法を用いたCNT成長により、カイラリティの単一化の実現を目指しており、特にサイズのそろったクラスター触媒を用いることで、上記目的を達成することを考えている。その予備実験として、本年度はグラファイト基板上に担持させたPt触媒粒子からのCNT成長について検討を行った。 基板には、Pt触媒粒子のマイグレーションを抑え、触媒担持に適していると考えられるグラファイトシートを用い、申請者のグループで実績のある高真空アルコールガスソース法による単層カーボンナノチューブ(SWNT)成長を試みた。成長温度、エタノール圧力の条件を変えて実験を行ったところ、未処理のグラファイトシート上ではSWNT成長はみらなかった。これを解決するため、グラファイトシートに王水処理を施したところ、基板の一部でSWNTが成長している様子が観察された。 一方、Pt触媒からのSWNT成長のメカニズムについて調べるため、SiO_2/Si基板上での成長実験も行ったところ、Pt触媒からは従来のCo触媒を用いた場合に比べ、より低エタノール圧力下でSWNTが成長する様子が観察された。また、生成するSWNTの直径が細く、半導体型SWNTの割合が高いことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
単層カーボンナノチューブ(SWNT)のカイラリティの単一化のために、グラファイトシート基板上Pt触媒からの成長について検討を行ったが、基板に対し化学処理を施すことで、SWNT成長を実現することができた。Ptクラスター触媒からのSWNT成長の実現に向け、有望な結果が得られたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
グラファイトシート基板上のPt触媒からの単層カーボンナノチューブ(SWNT)成長は達成したものの、基板の一部にしか成長がみられないなど、成長条件や再現性を確認する必要がある。現在、基板処理条件や成長条件を種々に変えることで、成長量の増加や均一化の向上に向けた検討を行っている。成長量の改善後は、グラファイトシート上にPtクラスター触媒を担持することで、均一なカイラリティをもつSWNT成長の実現を目指す予定である。
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