研究概要 |
2011年3月11日に発生した東日本大震災津波は東北地方を中心として甚大な人的・物的被害をもたらした他に,大規模な海浜地形変化の変化ももたらしている.本研究では,津波の流動・土砂移動モデルを用い,東日本大震災津波による土砂移動・海浜変化の再現を通じて,モデルの検証,および必要に応じてモデルの改善を行うことを目的としている. 今年度は5ヶ月のみの実施期間であり,主に準備期間とした.まず,津波による土砂移動現象,ドライな砂面上を流れる流体運動および砂移動現象に関する文献調査を実施した.次に,数値モデルの開発に着手した.波動モデルとしては浅水流方程式およびk-ωモデルを組み合わせた方程式を用いた.その結果,ドライな砂面を計算するための波先端部における境界条件を定めることが出来た.このモデルをダムブレーク問題に適用し,実験結果との比較の結果,良好な計算結果を得ることが出来た.これらの成果を,日本自然災害学会東北支部(1月),および土木学会東北支部技術研究発表会(3月)において発表を行った.詳細なモデル計算との比較は次年度以降の学術研究会において発表を行う予定である. さらに,次年度以降の検証データとするために,2011年東日本大震災津波により被災した砂浜海岸において地形変化に関する調査を行った.研究対象としては,これまでも研究がなされている仙台海岸とした.あわせて,空中写真の分析を行い,地形変化のデータを整備した.
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