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2011 年度 実績報告書

マイクロRNA制御異常を介した筋萎縮性側索硬化症発症病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11F01413
研究機関大阪大学

研究代表者

河原 行郎  大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤)

研究分担者 LI Quan  大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
キーワード脳神経疾患 / RNA / 筋萎縮性側索硬化症 / 痴呆 / 遺伝子
研究概要

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症メカニズム解明のため、病態と深く関連するRNA結合蛋白質TDP-43によるマイクロRNA制御機能に着目して研究を開始した。これまでに、TDP-43は核内でマイクロRNA生成に必須のDrosha複合体と結合し、また細胞質内でもDicer複合体と結合することによって、特定のマイクロRNAの生成を促進する働きを持つことを明らかにした。この結果をもとに、当初はヒトTDP-43トランスジェニック(Tg)マウスの脊髄中で症状の進行とともに変動するマイクロRNAを、マイクロアレイを用いて解析することを考えた。しかしながら、TDP-43がマイクロRNA前駆体に直接結合することが判明したことから、より直接的にTDP-43に結合するマイクロRNA前駆体を同定するべく、手法をPAR-CLIP法へと切り替えることとした。このため、まず培養細胞を用いて本手法の確立を目指した。すなわち、タグ付きのTDP-43安定発現細胞株を樹立し、この細胞を大量培養後、PAR-CLIP法を用いた免疫沈降法により、TDP-43に結合するRNA断片を回収した。次に、このRNA断片を用いてcDNAライブラリーを構築し、TAクローニング法により品質に問題がないことを確認した。現在、次世代シーケンサを用いたdeep sequenceを開始したところであり、TDP-43に結合するマイクロRNA前駆体の同定を目指している。来年度はその結果をもとに、ALSモデルマウスを材料としてPAR-CLIP法を実施し、脊髄中でTDP-43が直接制御するマイクロRNAの同定を目指す予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

PAR-CLIP法を用いたTDP-43に結合するRNA断片の安定的な回収法とライブラリーの構築が、培養細胞を用いてできるようになった。現在deep sequenceによって、手法の最終確認中ではあるが、TDP-43が制御するマイクロRNAを直接的に同定できるメソッドをほぼ確立できたと考えられるため、計画は順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

現在、培養細胞を用いてTDP-43が直接制御するマイクロRNAを同定するためのPAR-CLIP法確立の最終段階にある。来年度はその結果をもとに、ALSモデルマウスを材料としてPAR-CLIP法を実施し、脊髄中でTDP-43が直接制御するマイクロRNAの同定を目指し、それらマイクロRNAの運動ニューロン変性への関与を解析する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] マイクロRNA2011

    • 著者名/発表者名
      河原行郎
    • 雑誌名

      分子精神医学

      巻: 11(3) ページ: 172-177

  • [備考]

    • URL

      http://apprentice.jpn.org/hp/research-kawahara.html

URL: 

公開日: 2013-06-26   更新日: 2013-07-01  

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