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2012 年度 実績報告書

ウイルスベクターを用いた幹細胞相同組換え法の開発と治療モデルへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 11F01414
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

三谷 幸之介  埼玉医科大学, 医学部, 教授

研究分担者 CHAN-IT Wisoot  埼玉医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
キーワード遺伝子治療 / iPS細胞 / 遺伝子修復 / 造血系遺伝病 / アデノウイルスベクター
研究概要

ベクターの機能確認
i)IL2RG遺伝子修復ベクターの染色体組込みを検出するためのブラストサイジン選択が、マウスES細胞と異なりヒトiPS細胞では毒性が強すぎるためか働かないため(京大と熊大でも同様の報告あり)、ベクター上の薬剤耐性遺伝子をネオマイシン耐性に変えたベクターを構築し直して、産生した。このベクターをヒトiPS細胞に感染させ、染色体組込みによって得られるネオマイシン並びにガンシクロビル(GANC)二重薬剤耐性コロニーを別個に単離・増殖し、遺伝子ターゲッティングの効率を確認した。その結果、二重耐性コロニーの35%(17/48)という高効率で相同組換え体が得られたことを、PCRとサザン法により確認した。
ii)HDAd-HOXB4-Venusベクターは、K562を感染し、コントロールのCAG-Venusベクターと、血液細胞特異的蛍光発光の比較実験を行った。コントロールではポジティブであった一方、HOXB4ベクターからのシグナルは検出されなかった。トランスフェクションで再実験を行う。
iii)HDAd-OCT3/4-TKは、未分化ヒトiPS細胞とOCT3/4陰性ネガティブコントロールの293細胞にトランスフェクションで導入し、ヒトiPS細胞に導入した場合にGANC投与下でのみ特異的に細胞が死滅することを確認した。
IL2RG変異iPS細胞の調製
人工的にSCID-X1特異的iPS細胞を樹立するために、iPS細胞にPorteus博士より入手したIL2RG2エクソン1特異的TALENs(人工制限酵素)とドナーDNAとを導入して、変異iPS細胞を作製した。さらに、作製の際に導入したPGK-neo遺伝子カセットを、FLP遺伝子の一過性発現によって除いた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ベクターに関して、IL2RGターゲッティングベクターが効率良くips細胞において遺伝子ターゲッティング可能であることを確認できた。さらに、OCT-TKベクターの機能についても確認した。唯一の未解決点は、HOXB4ベクターの機能の確認である。
一方、細胞の調製については、患者由来細胞の入手が相変わらず困難であるため、人工的な患者変異保有ips細胞の作製の目的のために、遺伝子ノックアウトを行い成功した。この細胞から線維芽細胞を誘導することによって、当初予定していた遺伝子修復実験が可能となる。

今後の研究の推進方策

患者変異保有iPs細胞より、線維芽細胞を誘導する。一方、HoxB4ベクターの機能を、K562ならびに293細胞へのトランスフェクションにより確認する。
変異線維芽細胞よりセンダイウイルスベクターでips細胞を誘導しつつ、アデノウイルスベクターを用いて遺伝種修復を行う。更に、変異修復ips細胞より血液幹細胞を誘導し、未分化細胞をOCT-TKで除くと同時に、HOXB4-Vienusベクターの感染によって、造血系に誘導された遺伝子修復細胞を分取する。

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公開日: 2014-07-16  

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