研究実績の概要 |
京都学派よる仏教の受容の仕方を解釈し、さらにその解釈の方法論を見つけ確立するための道筋を作ることが本年度の研究目的であった。共同研究を通して、次の二点において、さらに考察を発展させることができるということが明らかになった。①明治初期に仏教を自らの哲学に受容した井上円了に着目し、彼の仏教解釈から哲学の理解がどのようになされたかを探る。②鎌倉仏教を翻訳の視点から読み解く。この二点を通して考察することは、京都学派の仏教受容という課題に応えるためにも十分意義あるものであった。研究成果(主要口頭発表のみ)は、以下のような具体的な形で結実した。 ①井上円了への着目―・2014 「西田幾多郞と井上円了の哲学的対話」(Presentation at the Chair of Japanese Philosophy, Kyoto-University, 31th of October). ・2014 「禅における再帰性―井上円了の禅解釈」(Annual International Conference at Toyo University held by the Inoue Enryo Society, 13th of September). ②鎌倉仏教を翻訳の視点から読み解く― ・2014 「鎌倉仏教の伝承は翻訳論の問題であるか。哲学的観点からの一考察」 (幕末明治研究会,6月22日). ・2015 Is Dogen a Dialetheist? The problem of “true contradictions” in Zen-Buddhism (invited speaker to “International Workshop on Japanese Buddhism and contradictions” at Kyoto-University, 16th to 18th of January).
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