研究課題
本研究では、合成DNAを用いて反応ネットワークを構成し、これをマイクロ流体システムと組み合わせることによって、動的な入出力に対応可能な新しい分子計算の可能性を示すことを目的とする。従来の分子コンピュータは、与えられた入力(=分子)に対して一連の反応操作を行うことにより、静的な計算結果を得るものであるのに対して、研究代表者のグループでは近年、合成DNAを設計し、これを複数の酵素と組み合わせることにより時間領域で振動する反応系を実現している。このような反応系を用いることによって、動的に変化する入力に対して、これに対応して動的に処理を行う分子コンピュータの概念を考えることができる。これにより、生体の動的なシグナルに対応する出力を計算することが可能になるため、たとえば投薬を支援するシステムなどへの医療応用を考えることができる。最終年度である平成25年度は、昨年度までに確立した液滴を用いる反応システムについて、反応条件の最適化を進めた。反応体積をさらに微小化することによって、平均的な濃度依存の現象ではなく、個々の分子の振るまいによる少数効果を見出すことを目的としているが、9月の時点では、そのような結果を得るには至っていない。
(抄録なし)
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
Biotechnology Advances
巻: 31 ページ: 789-796
Journal of the Royal Society Interface
巻: 10 ページ: 20130212
Chemical Communication
巻: 49 ページ: 8090-8092
10.1039/c3cc44323j