研究課題/領域番号 |
11F01769
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 浩亮 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授
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研究分担者 |
MARTIS Martin 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | ゼオライト / メソポーラスシリカ / 光触媒 / 金属錯体 / in-situ XAFS / 光エネルギー / 水素生成 / 選択酸化 |
研究概要 |
21世紀の化学は、環境を強く意識した発展が不可欠であり、物質変換においては、高選択的で超効率な触媒系の開発が望まれている。その達成には、クリーンで無尽蔵な光エネルギー(太陽光)を利用した選択的物質変換反応を可能とする光触媒の開発が重要な課題と言えるが極めてチャレンジングである。本申請課題では、選択的分子変換反応を可視光照射下で促進する表面固定化光応答性金属錯体の新規開発を行う。また放射光XAFSなどの分光学的手法を駆使して、優れた触媒機能とナノレベルの構造との相関を明らかにする。特に、様々な反応ステージでのin-situ XAFS測定によって、反応ガスの吸着・配位により生成する反応中間体の微細構造をも高精度で決定する。種々の分光学的手法を駆使した触媒活性種近傍の微細構造に関する知見と触媒機能の関連性を解明することで、更なる高性能光触媒の設計指針にフィードバックする。 平成23年度は、主に研究対象とする光触媒の調製を行い内包した光応答性金属錯体の電子状態、配位環境、光励起過程を、細孔環境により精密制御した。本年度は、調製した光触媒を用いて、可視光照射下での水からの水素生反応、酸素を用いた選択的酸化反応など各種選択的分子変換反応を検討した。また放射光XAFSなどの分光学的手法を駆使して、優れた触媒機能とナノレベルの構造との相関を明らかにした。特に、様々な反応ステージでのin-situ XAFS測定によって、反応ガスの吸着・配位により生成する反応中間体の微細構造をも高精度で決定することができた。例えば、単核Pt(II)(tpy)錯体を利用した光触媒的水素生成反応においては反応中にコロイド粒子は生成せず、Pt(II)錯体そのものが活性種であることがわかった。これは、XAFSにより本反応の活性種を同定した初めての例である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Pt錯体を利用した光触媒的水素生成反応においてin-situ XAFSにより反応中での活性種の構造変化詳細に検討し、光触媒活性との相関を明確にすることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
24年度得られた成果をフィードバックし更なる高活性触媒設計の指針とする。また放射光XAFSなどの分光学的手法を駆使して、優れた触媒機能とナノレベルの構造との相関を明らかにする。特に、様々な反応ステージでのin-situ XAFS測定によって、反応ガスの吸着・配位により生成する反応中間体の微細構造をも高精度で決定する。
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