研究課題
ダブルペロブスカイト構造のSr_2FeTaO_6結晶は、ディスオーダー相で頻繁に存在し、23K以下の温度においてスピングラス的挙動を示すことが明らかになった。このような挙動は、磁性Feイオン原子間の第二最近接原子間の相互作用(Next-Nearest-Neighbour Interaction)に由来することが以前から報告されている。このNNN相互作用の存在を検証するために、まず実験的にSr_2FeTaO_6薄膜における安定なBサイトオーダー相を得ることが不可欠である。パルスレーザーデポジション法によって、SrTiO_3結晶基板の(111)面上にエピタキシャル成長させたダブルペロブスカイト構造の良質なBサイトオーダーSr_2FeTaO_6薄膜を得ることができた。球面収差補正器(Cs-Corrector)搭載の走査透過型電子顕微鏡(STEM)の高角環状暗視野(HAADF)像及び電子エネルギー損失分光法(EELS)を用いて、Sr_2FeTaO_6薄膜の微細原子構造について詳細な観察を行った。この投影原子構造モデルを基に、理論計算で用いる三次元原子構造モデルが推定できる。SrTiO_3結晶基板では二種類の終端層の極性、Sr_2FeTaO_6薄膜では三種類の終端層、六回対称の界面原子積層を考慮すると、18種類の三次元界面原子構造モデルが推定される。界面吸着エネルギーの計算結果によると、界面においてSrTiO_3結晶はSrO_3-終端及びSr_2FeTaO_6結晶はTa-終端のケースが安定であることが明らかになった。この構造に対して、Vienna ab initio simulation package (VASP)計算を行い、界面電子状態をシミュレートした。その際、NNN相互作用するFe磁性イオンの様々な相対配列を考慮した。
(抄録なし)
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