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2011 年度 実績報告書

コンピューターネットワークにおける通信パターンの解析による異常検出技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 11F01811
研究機関東京大学

研究代表者

江崎 浩  東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授

研究分担者 FONTUGNE Romain  東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 外国人特別研究員
キーワードInternet traffic / Statistical analysis / Anomaly detection / Social network
研究概要

本研究では,インターネットトラフィックの特性を明らかにすることを目的として統計的解析手法の有用性と応用可能性を調査している.本研究は,JSPS/CNRS間の2国間共同研究プロジェクトの枠組みの中で行われており,今年度は1)インターネットトラフィックにおけるアノマリ検知および2)災害対応におけるソーシャルネットワークの活用に関する研究を遂行した.以下にそれぞれの研究実績をまとめる.
1)インターネットトラフィックにおけるアノマリ検知
ネットワークトラフィックにおけるアノマリは,インターネットトラフィックの大部分を占めており,ネットワークの通信性能に影響を及ぼしている.そのため,これらの脅威を検出し究明することは最重要課題である.そのため,過去10年間に渡り,数多くの研究者がこの課題に取り組みいくつかの自動アノマリ検出ツールを提案してきた.本研究において,我々は,まず従来のアノマリ検出器の欠点を克服したパターン認識ベースの検出手法を提案し,次に異なる検出器から得た結果を比較するベンチマークツールを提供することで,アノマリ検出における問題を明らかにした.
2)災害対応におけるソーシャルネットワークの活用
広域災害後における被災情報の収集は,人的資源を要する災害対応において重要な課題である.本研究では,被災したソーシャルネットワークユーザの投稿情報から有用なものを抽出することにより調査チームによる災害状況調査を支援する手法を提案した.具体的には,写真共有サイトのFlickrから東日本大震災発生以降の情報を抽出し検証した.我々は,Flickrユーザの挙動から主要な事象の発生状況を検出し,投稿された写真とタグからこれらの事象の背景を説明する手法を提案し,東日本大震災における地震と津波に対する検証結果から災害対応においてソーシャルネットワークを活用することの重要性を明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

我々の研究成果はインターネットトラフィックにおけるアノマリ検出の新たな見識を明らかにした.この研究成果の新規性,重要性および正確性は2本の学術雑誌論文(ACM SIGAPP newsletter(ACM SIGAPP Applied Computing Review)に掲載された論文を含む)により認められている.

今後の研究の推進方策

次年度の研究目標は,第一に,インターネットトラフィックにおけるアノマリ検出に関する研究を遂行することである.我々は特にアノマリ検出器のベンチマーク手法を改良し現行のアノマリ検出器をよりよく評価することを目標としている。第二の研究目標は,アノマリ検出手法で活用した統計的解析手法を他のプロジェクトのデータ解析に応用することである.例えば,東京大学のグリーン東大プロジェクトのデータに対して統計的解析手法を用いて分析・調査し,さらなるエネルギー消費の削減可能性を発見することを目標とする.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Report on the SIGCOMM 2011 conference2012

    • 著者名/発表者名
      J.W.Byers, J.C.Mogul, F.Adib, J.Aikat, D.Chasaki, M.H.Chen, M.Chetty, R.Fontugne, V.Gabale, L.Gyarmati, K.LaCurts, Q.Liao, M.Mendonca, T.C.Minh, S.H.S.Newaz, P.Prakash, Y.Shvartzshnaider, P.Yalagandula, C.Y.Yang
    • 雑誌名

      ACM SIGCOMM Computer Communication Review

      巻: 42(1) ページ: 80-96

    • DOI

      10.1145/2096149.2096162

  • [雑誌論文] A Hough-transform-based Anomaly Detector with an Adaptive Time Interval2011

    • 著者名/発表者名
      Romain Fontugne, Kensuke Fukuda
    • 雑誌名

      ACM Applied Computing Review

      巻: Vol.11,No.3 ページ: 41-51

    • DOI

      10.1145/2034594.2034598

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Visualization Tool for Exploring Multi-scale Network Traffic Anomalies2011

    • 著者名/発表者名
      Romain Fontugne, Toshio Hirotsu, Kensuke Fukuda
    • 雑誌名

      Journal of Networks, Special Issue : Performance Evaluation of Communication Networks and Systems

      巻: Vol.6,No.4 ページ: 577-586

    • 査読あり
  • [学会発表] Disasters seen through Flickr cameras2011

    • 著者名/発表者名
      Romain Fontugne, Youngjoon Won, Kenjiro Cho, Kensuke Fukuda
    • 学会等名
      ACM CoNEXT 2011 Special Workshop on the Internet and Disasters
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-12-06
  • [備考]

    • URL

      http://www.fukuda-lab.org/mawilab/

  • [備考]

    • URL

      http://www.fukuda-lab.org/~romain/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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