研究課題/領域番号 |
11F01818
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
生嶋 健司 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 准教授
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研究分担者 |
HADLEY Videlier 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 外国人特別研究員
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キーワード | テラヘルツ / 量子ホール効果 / 量子ドット / グラフェン |
研究概要 |
本研究の目的は、半導体量子構造によるテラヘルツ波の単一光子検出機構を応用して、局所領域からのテラヘルツ放射を超高感度で検出・イメージングする基盤技術を提供することである。特に、単電子トランジスタとして動作する半導体量子ドットや量子ホール効果素子におけるランダウ準位間光学遷移を追及し、テラヘルツ帯域の検出器および光源の可能性を探る。現在、量子ドット検出器はGaAs/AlGaAsヘテロ構造結晶において作製され、強磁場中におけるサイクロトロン共鳴を利用して2-3THz帯域のフォトンカウンティングに成功している。本研究では、波長領域の拡張のために、グラフェンをはじめとする新しい材料での開発を試みる。グラフェンの場合、中赤外光(10-20THz程度)の単一光子検出器が可能であるばかりでなく、その特異なバンド構造に由来する非等間隔なランダウ分裂により、マルチバンドの検出機構が推測される。当該年度において、高配向性グラファイト(HOPG)からテープにより剥離されたグラフェンとCVDにより作製されたグラフェンについて、それぞれホール素子を作製するプロセスを確立した。特に、アニール等の条件出しにより、レジスト残留や大気分子の吸着によりホールドープされる問題を克服し、ディラックポイントが明瞭に観測されるグラフェン素子の作製が可能になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ランダウ準位間遷移を利用した検出器・光源を開発するためにまず必要とされる純良なグラフェン素子の作製と評価がおおむね可能になったから。
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今後の研究の推進方策 |
着実にグラフェン素子作製プロセスが整ってきているが、検出器および光源開発へ展開するためには、分光器などの周辺セットアップが必要である。デバイス開発と並行して、検出・発光機構を測定できるシステムの立ち上げを行う計画である。
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