研究概要 |
研究代表者によって従来までに提案されていたソフトウェア信頼性モデルの推定WSEは,ウェーブレット系としてハールウェーブレット系を,データ変換法としてAnscombe変換とFisz変換を使用したものであった.本年度は「ウェーブレット縮小推定に基づいたソフトウェア信頼性評価に関する研究」を進める目的で,以下のとおり実施した. (1)ハールウェーブレット系をベースにした研究 新たに3種類のデータ変換,Bartlett変換,Bartlett変換の拡張変換及びFreeman変換を導入し,Anscombe変換とFisz変換を含めた計5種類のデータ変換がWSEの推定精度に対してどのような影響を与えるのかについて調べた.これらは最も基本的なデータ変換法であるため,現時点では,他のデータ変換法を調べる必要はないと考える.さらに,WSEの推定精度に影響するパラメータとして,解像度レベルが挙げられます.これまでは最高解像度レベルを用いたが,それが最適なものなのかを調べるために感度解析を行った.その結果,WSEの種類ごとに最適な解像度レベルを特定することが出来た. (2)ドーブシウェーブレット系をベースにした研究 ハールウェーブレット系の一般形として知られるドーブシウェーブレット系に着目し,既存のモデル推定法WSEを拡張した.ハールウェーブレット系を用いた手法では離散データしか解析できなかったが,ドーブシウェーブレットを導入することにより,連続データを解析することが出来るようになり,ソフトウェアフォールト検出時間データからソフトウェア信頼性評価を行うことが可能となった.
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