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2013 年度 実績報告書

脊椎動物未受精卵の分裂停止因子Emi2の活性制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11J00139
研究機関九州大学

研究代表者

迫 洸佑  九州大学, 大学院理学研究院, 特別研究員(DC1)

キーワード細胞周期 / Emi2 / APC/C / Ube2S
研究概要

脊椎動物の未受精卵は第二減数分裂中期(Meta-II)で分裂を停止し、受精を待つ。Meta-II停止を引き起こす因子のエフェクターとして、APC/C (Anaphase promoting complex/cyclosome)抑制能をもつEmi2 (Early mitotic inhibitor 2)が知られている。
Emi2は、自身のC末端に存在するRL tailを介してAPC/Cと結合する。本研究は、Emi2の活性化および安定化の分子メカニズムの解明も目的としており、Emi2が結合するAPC/Cサブユニットの特定が非常に重要であると考えられた。その結合の際に、Emi2がAPC/Cの活性化に必要な因子を排除するのではないかと仮定し、前年度の研究を進めた。その結果、RL tai1とアミノ酸配列が非常に酷似したC末端をもつUbe2S (E2ユビキチン結合酵素)がその候補として浮上した。
そこで私は、Emi2がAPC/Cと結合する際に、APC/Cの同一サブユニット上でUbe2Sと競合することでMeta-II停止を引き起こしているのではないかと仮説を立て、本年度の研究を行った。まず、Meta-II停止時のツメガエル卵抽出液を用いて、APC/Cの免疫沈降を行った。すると、受精刺激後にEmi2が分解される際に、Ube2SとAPC/Cとの結合がMeta-II停止時に比べ4~5倍に上昇すること、その結合上昇にはEmi2の分解(APC/CからのEmi2の解離)が必須であることが分かった。次に、Rabbit Reticulocyte Lysate (RRL)で発現させたAPC/Cサブユニットを用いた実験から、Emi2およびUbe2SはAPC/CのコアサブユニットであるAPC10と結合することが分かった。
以上の結果から、Meta-II停止時において、Emi2はRL tailを介してAPC10と結合しUbe2Sと競合していることが強く示唆された。また、この結果は国際的にも高い評価を受け、平成26年3月17日付けでNature Communications誌に受理され、現在印刷中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

(抄録なし)

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Emi2 mediates meiotic MII arrest by competitively inhibiting the binding of Ube2S to the APC/C2014

    • 著者名/発表者名
      K. Sako, K. Suzuki, M. Isoda, S. Yoshikai, C. Senoo, N. Nakajo, M. Ohe and N. Sagata
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: (印刷中)

    • DOI

      10.1038/ncomms4667

    • 査読あり
  • [学会発表] ツメガエル未受精卵のMeta-II停止 : Emi2によるAPC/C-Ube2S結合の競合的阻害2013

    • 著者名/発表者名
      迫 洸佑
    • 学会等名
      第36回 日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2013-12-05
  • [図書] 実験医学2014

    • 著者名/発表者名
      迫洸佑、鈴木和広、磯田道孝、佐方功幸
    • 出版者
      羊土社(印刷中)
  • [備考]

    • URL

      http://www.biology.kyushu-u.ac.jp/~hassei/sagata/sagata-top.html

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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