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2012 年度 実績報告書

ガンマ線連星における放射機構

研究課題

研究課題/領域番号 11J00186
研究機関大阪大学

研究代表者

山口 正輝  大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードガンマ線連星 / 高エネルギー放射 / 逆コンプトン散乱 / 星周円盤
研究概要

本年度はガンマ線連星のうち二つの天体LS5039とPSRB1259-63に対して、ガンマ線の放射機構を理論的に調べた。また、ガンマ線連星の研究で用いた手法をパルサー磁気圏からのガンマ線放射の研究に応用した。本項では2つのガンマ線連星とパルサー磁気圏の計3つの研究内容を簡単に述べる。
まず、LS5039からのX線放射を逆コンプトン散乱によって説明することに成功した。これまでLS5039からのX線放射はシンクロトロン放射であると考えられてきた。ただ、シンクロトロン放射でX線放射を説明する際には、致命的な問題があった。それは磁場が大きすぎるために、高エネルギー電子が冷却により減少し、TeVガンマ線のフラックスが小さくなりすぎるという問題である。これを回避するために我々は逆コンプトン散乱で説明することを試みた。これによりTeVガンマ線を小さくすることなくX線放射を説明することができた。このシナリオにおいて、X線は冷却した電子からの放射であり、変動は電子の注入率を考慮に入れることにより説明することができた。
次にPSR B1259-63のガンマ線放射に対して、星周円盤からの放射を逆コンプトン散乱してガンマ線を出すというモデルを考え、星周円盤からの放射とそれを逆コンプトン散乱した放射を数値的に計算した。これまで逆コンプトン散乱の種光子は星からの放射だと思われていたが、その場合軌道変動が説明できない。そこで、観測的にも存在が確認されている星周円盤からの放射を考慮に入れることにした。その結果、パルサー風と星周円盤との相互作用によってできる衝撃波からの放射が種光子として寄与することがわかった。
最後にパルサー磁気圏からのガンマ線放射を磁気圏からのシンクロトロン放射を逆コンプトン散乱するとして、磁気圏内での吸収を考慮に入れて計算を行った。その結果、磁気圏の中で一様に公言がある場合に観測されている特徴を説明できることがわかった。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Modeling high-energy light curves of the PSR B1259-63/LS 2883 binary based on 3D SPH simulation2012

    • 著者名/発表者名
      高田順平, 他
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal

      巻: 750 ページ: 70-79

    • DOI

      10.1088/0004-637X/750/1/70

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inverse Compton scattering model for X-ray emission of the gamma-ray binary LS 50392012

    • 著者名/発表者名
      山口正輝、高原文郎
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal

      巻: 761 ページ: 146-150

    • DOI

      10.1088/0004-637X/761/2/146

    • 査読あり
  • [学会発表] ガンマ線連星PSR B1259-63における衝撃波領域からの放射を考慮に入れた逆コンプトン散乱モデル2013

    • 著者名/発表者名
      山口正輝
    • 学会等名
      天文学会春季年会
    • 発表場所
      埼玉大学
    • 年月日
      2013-03-20
  • [学会発表] ガンマ線連星LS 5039における逆コンプトン散乱X線放射機構2013

    • 著者名/発表者名
      山口正輝
    • 学会等名
      宇宙線研究所 パルサー小研究会
    • 発表場所
      東京大学宇宙線研究所
    • 年月日
      2013-03-12
  • [学会発表] ガンマ線連星LS 5039における逆コンプトン散乱X線放射機構2012

    • 著者名/発表者名
      山口正輝
    • 学会等名
      理論懇シンポジウム
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2012-12-23
  • [学会発表] ガンマ線連星PSR B1259-63における円盤放射の逆コンプトン放射モデル2012

    • 著者名/発表者名
      山口正輝
    • 学会等名
      高エネルギー宇宙物理学研究会
    • 発表場所
      首都大学東京
    • 年月日
      2012-10-03
  • [学会発表] ガンマ線連星PSR B1259-63における円盤放射の逆コンプトン放射モデル2012

    • 著者名/発表者名
      山口正輝
    • 学会等名
      日本天文学会秋季年会
    • 発表場所
      大分大学
    • 年月日
      2012-09-21
  • [学会発表] Inverse Compton emission from the gamma-ray binary LS 50392012

    • 著者名/発表者名
      山口正輝
    • 学会等名
      39^<th> COSPAR scientific assembly 2012
    • 発表場所
      マイソール(インド)
    • 年月日
      2012-07-21
  • [備考]

    • URL

      http://vega.ess.sci.osaka-u.ac.jp/~yamaguchi/index.html

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公開日: 2014-07-16  

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