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2012 年度 実績報告書

マイクロマニピュレーション操作を用いた哺乳類卵母細胞核小体の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 11J00304
研究機関神戸大学

研究代表者

京極 博久  神戸大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード卵母細胞 / 核小体 / 発生 / 脱核小体
研究概要

最近の研究から,卵母細胞の核小体は成熟には必要ないが,受精後に形成される前核中の核小体形成とその後の胚発生に必要なことが示された。2細胞期胚の核小体は卵核胞期(GV期)の核小体と同様に緊密な形態をしている。この核小体にはrRNA合成能はないが,その機能に関しては,胚発生を支持するとの手がかり以外は何もわかってない。本研究では,ブタ卵母細胞および胚を用い,マイクロマニピュレーションによって卵核胞期(GV期)の卵母細胞と2細胞期胚の核小体を置換したのち培養し,発生に及ぼす影響を調べた。まず,2細胞期胚の核小体が,GV期の卵母細胞の核小体を代替しうるかを調べた。活性化2日後の卵割率は全での実験区で高い値を示した(86~98%)が,7日後,脱核小体卵母細胞は,ほとんど胚盤胞へ発生しなかった(2%)のに対し,脱核小体一成熟培養したMII卵母細胞に,GV期卵母細胞もしくは2細胞期胚の核小体を顕微注入すると,胚盤胞へと発生した(47%,50%)。次に,GV期に脱核小体することによって作出した核小体のない2細胞期胚に,GV期もしくは2細胞期胚の核小体を顕微注入することによって,発生能を回復させることができるかを調べた。GV期卵母細胞もしくは2細胞期胚の核小体を注入した2細胞期胚は,ほとんど胚盤胞へ発生しなかった(3~6%)。以上の結果から,2細胞期の核1」、体にはGV期の核小体と同様に発生を支持する機能があること,また,核小体は1細胞期と2細胞期の間の胚に必須であることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画していた実験については,データを出し論文にまとめ上げることができた。

今後の研究の推進方策

核小体の詳細な動態とタンパク質レベルの解析を行うために,蛍光蛋白質を標識した核小体蛋白質のmRNAを合成し,卵母細胞に注入することによってライブセルイメージングを行なう。また,発生過程における核小体の機能は未だ解明されていないことから,受精卵および初期胚の核小体の動態,体積および個数の変化などに注目し,発生過程における機能の解明を目指す。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Nucleoli from two-cell embryos support the development of enucleolated germinal vesicle oocytes in the pig2012

    • 著者名/発表者名
      Kyogoku, H., Ogushi, S., Miyano, T.
    • 雑誌名

      Biology of Reproduction

      巻: 87 ページ: 113 1-6

    • DOI

      10.1095/biolreprod.112.103119

    • 査読あり
  • [学会発表] Nucleolus exchange between 2-cell embryos and germinal vesicle oocytes2012

    • 著者名/発表者名
      Kyogoku, H., Miyano, T.
    • 学会等名
      The 9th Annual Conference of Asian Reproductive Biotechnology Society,
    • 発表場所
      EDSA Shangri-La Hotel (Manila, Philippine)
    • 年月日
      2012-10-24
  • [学会発表] 2細胞期胚の核小体に置換したブタ卵母細胞の発生2012

    • 著者名/発表者名
      京極博久, 大串素雅子, 宮野隆,
    • 学会等名
      第105回日本繁殖生物学会大会
    • 発表場所
      筑波大学大学会館(茨城県)
    • 年月日
      2012-09-06
  • [学会発表] ブタ卵母細胞の成熟過程における核小体の直径の変化2012

    • 著者名/発表者名
      農端理壽, 京極博久, 宮野隆.
    • 学会等名
      第105回日本繁殖生物学会大会
    • 発表場所
      筑波大学大学会館(茨城県)
    • 年月日
      2012-09-06

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公開日: 2014-07-16  

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