研究課題/領域番号 |
11J00311
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
清水 恒子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | pseudosection / THERMOCALC / 超高温変成岩 / 南インド / 北中国 |
研究概要 |
本年度はTHERMOCALCの使用法を習得し、pseudosection解析の経験を積むこと・南インドRajapalaiyam地域から産出した高圧~超高温変成岩のpseudosection法を用いた変成温度圧力条件の見積もりを行うことを目的とした。 1.北中国Tuguiwula地域から産出した高圧~超高温変成岩のpseudosection法を用いた変成温度圧力条件の見積もり 北中国Tuguiwula地域から産出する高圧~超高温変成岩は南インドRajapalaiyam地域から産出する高圧~超高温変成岩と同様に、酸素フガシティが高いことがわかっている。そのため酸素フガシティが高い岩石のpseudosectionにおける温度圧力条件の挙動を確認することや、pseudosectionを解析する経験を積むことを目的に、北中国Tuguiwula地域から産出した高圧~超高温変成岩に関するpseudosection法を用いた解析を行った。この研究から、pseudosection法を用いた計算における酸素フガシティの高い高圧~超高温変成岩の挙動が明らかになりつつある。 2.南インドRajapalaiyam地域から産出した高圧~超高温変成岩のpseudosection法を用いたFe3+含有量の変化に対する温度圧力条件の変化の見積もり 南インドRajapalaiyam地域から産出する高圧~超高温変成岩は酸素フガシティが高い。また、酸素フガシティの高い条件で形成された岩石にはFe3+が多く含まれることがわかっている。Fe3+の含有量は変成温度圧力条件に影響するため、Fe3+含有量の変化に対する温度圧力条件の変化を見積もった。この研究結果はピーク変成作用を被ったときの温度圧力条件の見積もりに活用される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は南インドに産出する高圧~超高温変成岩のpseudosection法を用いた変成温度圧力条件の見積もりを行う予定であった。オーストラリアのカーティン工科大学へ留学し、pseudosectionを計算するためのプログラムであるTHERMOCALC使用法を学んだ。帰国後は北中国に産出する高圧~超高温変成岩を用いてpseudosection法による解析の経験を積み、変成温度圧力条件を見積もるために必要となる高い酸素分圧を持つ岩石に関するデータを得た。そして南インドに産出する高圧~超高温変成岩の、酸素フガシティの変化に対する温度圧力条件の変化を解析した。本研究のデータは今後研究を遂行するための非常に重要なデータとなるため、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
「南インドテクトニックモデルの再検討」 今後は南インドRajapalaiyam地域から産出する高圧~超高温変成岩のpseudosection法を用いた変成温度圧力条件の見積もりを行う。また南インドの他地域から産出する高圧~超高温変成岩に関しても同様の解析を行う。そして南インドテクトニックモデルの構築につなげる。 また、現在平成23年度に得られた成果を2つの論文として執筆中であり、国際誌に投稿予定である。
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