研究課題
本研究は、部位別多周波生体電気インピーダンス分光法(S-BIS)による筋細胞量測定と高齢者でも正確に測定できる身体活動量計を用いて、sarcopeniaを予防するのに必要な身体活動量を明らかにすることを目的としている。平成23年度は、大規模な測定を、3つの地域コホートで調査することに重点を置いて研究を実施した。現時点で7,000名を超える測定ができた。さらに、100名の対象者に対して、CTやMRIで内臓脂肪、骨格筋内脂肪、肝脂肪などの異所性脂肪も測定し筋委縮と肥満との相互関連(sarcopnic obesityの実態解明)を調査中である。また、2000年から毎年実施している筋量・体力・身体調査の高齢者コホート(約300名)を継続的に測定し、日常の身体活動の強度・種類・量が筋細胞量の変化に与える影響を縦断研究により明らかにすること、ならびに、健常な高齢者40名に対して、身体活動量を増加させるプログラムの無作為化対照実験を行い、sarcopenia予防効果のあるプログラム開発と効果検証を行うことを実施した。介入の結果、平均で1週間あたり約10,000歩増加させることができていた。さらに、介入方法の工夫で、1週間あたり、15,000歩増加させることも可能であるということも示唆され、15,000歩以上の増加があると、各種体力が3か月間で向上し、sarcopenia予防につながる可能性があることがわかった。
1: 当初の計画以上に進展している
当初の計画を上回る規模での研究が進展していて、特に初年度で当初目標数を軽く超えたことからも、当初の予定よりも非常に早いペースで実施できている。
研究の新しい展開として、当初計画では、日本人を対象としたsarcopenia予防め身体活動基準作成を目指していたが、フィンランドのヘルシンキ大学のDr.Mikko Bjorkmanとの出会いとその後の打ち合わせにより、共同研究として、私が開発したS-BISと活動量計を用いてフィンランドでも同様に調査することになった。また、今後の課題として、平成25年度にはアメリカ合衆国ウィスコンシン州立大学への留学を考えており、アメリカでも同様の調査を実施し、国際的な基準作成を目指していきたいと考えている。
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