研究課題/領域番号 |
11J00392
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
池田 真弓 慶應義塾大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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キーワード | 西洋美術史 / 装飾写本 / 書誌学 / ドイツ / 西洋初期刊本 / 挿絵 / 書物史 / メディア |
研究概要 |
本研究は、15世紀後半に発明された活版印刷術を用いたヨーロッパ初の商業出版者、マインツのペーター・シェーファーが出版した本の装飾や挿絵を分析し、本の形態や装飾・挿絵の利用法、そこから見えてくる出版者の販売戦略などを解明する事を目的とする。 本年度は、調査が進んでいる研究内容を発表・出版する活動を中心に行ったほか、海外の複数の作品所蔵機関に赴いて研究対象の調査も行った。また、国内外での講義・講演・執筆活動なども複数行った。 研究調査については、シェーファー出版の多色印刷本に関する調査・研究を重点的に進め、マンチェスター大学ジョン・ライランズ図書館、フランス国立図書館、大英図書館にて複数の印刷本の調査を行った。また、大英図書館に依頼し、同館所蔵のシェーファー出版本に使用されている青色顔料の分析を実施して頂いた。 研究成果の公表・公開に関しては、美術史学会全国大会で口頭発表し、その内容を論文として学会誌『美術史』に投稿、出版された。また、マンチェスター大学で開催された国際的なルネサンス研究学会(Society for Renaissance StUdies Conference)で、本研究員の企画したパネル"Design and Decoration of Early Printed Books"の議事進行を務め、海外の研究者らと活発に議論を行った。リール第三大学とキプロス大学主催の研究会でもそれぞれ研究成果を口頭発表し、その内容をまとめた論文が、2014年にBrill社から出版予定の研究書(1mpressions of Colour:Rediscovering Colour in Early Modern Printmaking,ca.1400-1800)の第6章として採用された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、調査と、調査結果の発表という研究の2本柱に関し、バランス良く進めることができた。前者に関しては、海外の作品所蔵機関3ヶ所で研究対象の調査を行ったほか、そのうち1機関に作品の科学分析の依頼を行った。後者に関しては、国内と国外で1本ずつ査読付きの論文を提出して受理された。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、研究対象のうち、未だ細かな調査を行っていないものについて重点的に調査を行い、ケーススタディを完成させていくことを目指す。年度終了までに全調査対象のケーススタディを大まかに終え、本研究を総括できる状態としたい。
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