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2011 年度 実績報告書

ヒトiPS細胞から中間中胚葉の分化誘導

研究課題

研究課題/領域番号 11J00455
研究機関京都大学

研究代表者

前 伸一  京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードヒトiPS細胞 / 中間中胚葉 / 腎臓
研究概要

腎臓を構成する細胞のほとんどは、胎生組織である中間中胚葉に由来することから、ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)からそれらの細胞を分化誘導することが、腎臓再生の最初の重要なステップである。また、核内転写因子OSR1(Odd-skipped related 1)が中間中胚葉で最も早期かつ特異的に発現するマーカーとして知られている。そこで、OSR1に対するレポーター細胞株の樹立とヒトiPS細胞からOSR1陽性中間中胚葉細胞の分化誘導法の確立を掲げ、研究を実施した。
まず、OSR1の発現をモニターするOSR1-GFPノックインヒトiPS細胞株を、既存のヒトiPS細胞株201B7より樹立するために、ROCK inhibitorを用いてヒトES細胞の生存率を改善させる報告(Watanabe, K. et.al., 2007)を基にして、独自のヒトiPS細胞に対するエレクトロポレーションによる遺伝子導入プロトコールを確立した。さらに、細菌人工染色体(BAC)をターゲティングベクターとして用いて相同組み換え効率を向上させる方法を考案し実施したところ、約3%の効率で相同組み換えレポーター細胞株を樹立することに成功した。
次に、中間中胚葉特異的マーカーOSR1の発現を指標にヒトiPS細胞から中間中胚葉の分化誘導における最適なプロトコールの確立を行った。BMP7などの増殖因子の組み合わせがOSR1発現の誘導に有効であることを見出し、ヒトiPS細胞を高い生存率を保ったまま単一細胞にまで解離する独自の単層培養法を確立したところ、上記の増殖因子の組み合わせ処理によって90%以上もの高効率でOSR1陽性細胞を作製することに成功した。
以上、OSR1-GFPノックインヒトiPS細胞から中間中胚葉細胞を高効率に分化誘導する方法を確立したことにより、平成23年度の研究計画を達成することができたと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

OSR1-GFPノックインヒトiPS細胞の樹立および中間中胚葉細胞を高効率に分化誘導する方法の確立に成功し、分化誘導した中間中胚葉細胞の発生生物学的機能を評価することに着手できたことから、当初の計画を上回る成果が得られたと考える。

今後の研究の推進方策

試験管内で作製された腎臓細胞は生体内のものと一致しない性質を示す可能性がある。そこで、OSR1-GFPノツクインヒトiPS細胞から高効率に分化誘導した中間中胚葉細胞の遺伝子発現や生理機能、発生生物学的機能などが生体内のものと同じであるか否かを入念に検証する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Induction and monitoring of intermediate mesoderm from human iPSCs and ESCs2011

    • 著者名/発表者名
      前伸一
    • 学会等名
      ISSCR 9^<th> Annual Meeting
    • 発表場所
      Toronto (Canada)
    • 年月日
      2011-06-16

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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