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2011 年度 実績報告書

共創型人間-機械インタフェースの提案と筋電義手処方支援システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 11J00522
研究機関広島大学

研究代表者

芝軒 太郎  広島大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード筋電位 / 筋電義手 / ニューラルネット / バーチャルリアリティ / トレーニング / Box and Block Test(BBT)
研究概要

本年度は,筋電義手制御のためのトレーニングシステムおよび筋電義手をはじめとする様々な機器の制御法について検討を行った.まず,コンピュータ上に仮想的な義手(Virtual Hand:VH)を作成し,これを用いたトレーニングシステムを開発した[日本ロボット学会誌,第20回計測自動制御学会中国支部学術講演会].このシステムでは,操作者の筋電位によりVHを制御し,仮想空間上の物体の把持や移動等の仮想的な作業を行うことができる.本研究では,まず義手の操作能力評価に広く用いられているBox and Block Testを仮想空間上に再現し,物体を把持・移動するなどの仮想環境独自の訓練を実装した.そして,提案システムを用いて切断者を含む6名の被験者を対象として5日間の訓練実験を実施した結果,作業能力が有意に向上することを確認した.
次に,提案システムを応用して世界で最も普及しているOtto Bock社製の筋電義手:MYOBOCK用のトレーニングシステムを新たに開発した.このシステムではVHにMYOBOCKの動作特性を導入しており,臨床で行われている作業訓練を模擬することができる.実験では,開発したVHを用いて物体の把持・解放作業を行い,実際の作業訓練を代替できる可能性を示した[日本人間工学会中国・四国支部九州・沖縄支部合同開催支部大会].
一方,俊敏な動きと力強い把持が可能な5指駆動型義手を試作し,筋電位による制御を実現した[第21回インテリジェント・システム・シンポジウム(FAN2011)].さらに,左右各腕の動作を個別に推定して組み合わせることが可能なニューラルネットを提案し,ロボットマニピュレータ制御に応用した[SII2011].
以上のように,筋電義手の作業訓練支援および義手型ロボットの随意的な制御を実現することができた

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

1.現在最も普及している筋電義手(MYOBOCK)の動作特性を導入したバーチャルハンド,およびそれを用いた新しい作業訓練システムを開発し,臨床で行われている作業訓練を代替できる可能性を示した点.
2.提案システムを用いて5日間の作業訓練実験を行い,作業能力が有意に向上することを示した点.

今後の研究の推進方策

今後は,提案したシステムの臨床応用可能性を検討するために,被験者を増加して長期間の訓練実験を行う.このとき,実験協力予定者である上肢切断者や作業療法士の意見に基づき,システムのブラッシュアップを図るとともに適切な訓練回数・期間を検討する.また,仮想環境内の情報を立体視や振動子によって被験者にフィードバックすることで,より実環境に近いシステムを構築する.さらに,これまでに提案した電極・動作選定法とトレーニングシステムを融合し,システムが被験者の状態を学習することで,被験者に合わせた訓練が可能な訓練システムを実現する.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] VRを利用した筋電義手操作トレーニングシステムの開発と仮想Box and Block Testの実現2012

    • 著者名/発表者名
      芝軒太郎, 村上隆治, 島圭介, 辻敏夫, 大塚彰, 陳隆明
    • 雑誌名

      日本ロボット学会誌

      巻: (掲載決定)

    • 査読あり
  • [学会発表] 非定常リズム信号を生成可能なCPGシナジーモデルの提案と指タップ運動機能評価への応用2011

    • 著者名/発表者名
      丸元崇弘, 植野岳, 芝軒太郎, 島圭介, 栗田雄一, 辻敏夫, 神鳥明彦, 佐古田三郎
    • 学会等名
      第12回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会
    • 発表場所
      京都大学,京都
    • 年月日
      2011-12-24
  • [学会発表] 判別成分分析に基づく新しい次元圧縮型リカレント確率ニューラルネット2011

    • 著者名/発表者名
      早志英朗, 平松侑樹, 芝軒太郎, 島圭介, 卜楠, 栗田雄一, 辻敏夫
    • 学会等名
      第12回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会
    • 発表場所
      京都大学,京都
    • 年月日
      2011-12-23
  • [学会発表] A Novel Dual-arm Motion Discrimination Method Using Reccurent Probability Neural Networks for Automatic Gesture Recognition2011

    • 著者名/発表者名
      Y.HIRAMATSU, T.SHIBANOKI, K.SHIMA, T.TSUJI
    • 学会等名
      2011 IEEE/SICE International Symposium on Systern Integration
    • 発表場所
      京都大学,京都
    • 年月日
      2011-12-22
  • [学会発表] 筋電義手操作のためのバーチャルトレーニングシステムの提案と仮想Box and Block Testの実現2011

    • 著者名/発表者名
      村上隆治, 芝軒太郎, 島圭介, 辻敏夫, 大塚彰, 陳隆明
    • 学会等名
      第20回計測自動制御学会中国支部学術講演会
    • 発表場所
      岡山大学,岡山
    • 年月日
      2011-11-26
  • [学会発表] Otto Bock筋電義手操作を目的としたバーチャルトレーニングシステム2011

    • 著者名/発表者名
      中村豪, 村上隆治, 芝軒太郎, 島圭介, 栗田雄大, 辻敏夫, 大塚彰, 陳隆明
    • 学会等名
      日本人間工学会中国・四国支部九州・沖縄支部合同開催支部大会
    • 発表場所
      下関生涯学習プラザ,山口
    • 年月日
      2011-11-26
  • [学会発表] 次元圧縮型確率ニューラルネットを用いたブレイン・マシン・インタフェース2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤達也, 植野岳, 芝軒太郎, 圭介, 栗田雄一, 辻敏夫, 卜楠
    • 学会等名
      日本人間工学会中国・四国支部九州・沖縄支部合同開催支部大会
    • 発表場所
      下関生涯学習プラザ,山口
    • 年月日
      2011-11-26
  • [学会発表] 把持力増大機構を有する5指駆動型筋電義手2011

    • 著者名/発表者名
      島圭介, 高木健, 芝軒太郎, 辻敏夫, 小俣透, 大塚彰, 陳隆明
    • 学会等名
      第21回インテリジェント・システム・シンポジウム(FAN2011)
    • 発表場所
      神戸大学,兵庫
    • 年月日
      2011-09-02
  • [備考]

    • URL

      http://www.bsys.hiroshima-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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