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2012 年度 実績報告書

フレーバー対称性とその実験的検証

研究課題

研究課題/領域番号 11J00696
研究機関京都大学

研究代表者

石森 一  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードフレーバー対称性 / ニュートリノ振動 / 世代混合
研究概要

今年度行った研究では、フレーバー対称性A4やΣ(3N^3)を使った模型の構築とそこから導かれるレプトンやクォークの質量、混合の予言を行った。特に、ニュートリノ振動実験で大きな発展があり、レプトンの混合角で不明であったθ13の値が徐々に明らかになり理論的な背景の考察が必要になっている。この値は最近の4つの実験(T2K, Double Chooz, Daya Bay, RENO)で0でない値が確認されている1今まではほぼ0だと思いそこから隠れている対称性を導き出す方法が主要であったが、実験で確認された値は比較的大きく、無視できる大きさではない。まだ実験的に精度の幅はあるが、何らかの対称性や理論でこの値は決まっていると考える。通常の研究では量子補正や高次元オペレータの補正などで0からのずれを導入しθ13を予想するが決まった値は予言できない。しかし、我々が考えたΣ(3N^3)の対称性を用いると3世代3つの混合角の値がすべて決まった値で予言することができる。今後のニュートリノ振動の結果によってはこの予言した角度にすべて実験の値が近づいていく可能性もある。その場合は背後に隠れた対称性があると間接的に検証することができる。また、ニュートリノの質量についても予言があり、3世代3つの質量が2つのパラメータで関係付いている。ニュートリノの質量の和や2重べータ崩壊の確率はまだ明らかになっていないが、模型を仮定することでこれらの値がある範囲で予言される。このように様々な面から模型を検証することができる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画してある研究についておおむね順調に論文にまとめることができている。特に、ニュートリノ振動の実験について新しい結果が次々と現れているのでそれらを説明するように模型の改良、計算の見直しを進めている。より精密な実験結果が得られたことで研究は進展しやすくなる。

今後の研究の推進方策

今後はこれまで行ってきた研究を進展させていく。現段階では特に問題がないのでより優れた模型の構築を行い、より自然に質量や世代混合が説明できる模型を探る。新しい実験結果が得られ、世代混合がより精密にわかってきたので、模型の構築を続けることで質量や世代の謎が解明されていくと期待している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Lepton flavor models with discrete prediction of theta_{13}2012

    • 著者名/発表者名
      石森一、小林達夫
    • 雑誌名

      physical review D

      巻: 85巻 ページ: 125004

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.85.125004

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CP Phases of Neutrino Mixing in a upersymmetric B-L Gauge Model with T 7 Lepton Flavor Symmetry2012

    • 著者名/発表者名
      石森一、Shaaban Khalil、Ernest Ma
    • 雑誌名

      physical review D

      巻: 86巻 ページ: 013008

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.86.013008

    • 査読あり
  • [雑誌論文] New Simple A4 Neutrino Model for Nonzero thetal3 and Large deltaCP2012

    • 著者名/発表者名
      石森一、Ernest Ma
    • 雑誌名

      physical review D

      巻: 86巻 ページ: 045030

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.86.045030

    • 査読あり
  • [学会発表] Discrete predictions of lepton mixing with the symmetry Sigma (3N^3)2012

    • 著者名/発表者名
      石森一
    • 学会等名
      Japanese-German Symposium
    • 発表場所
      しいのき迎賓館(金沢市)(招待講演)
    • 年月日
      2012-10-02
  • [学会発表] New Simple A4 Model for Nonzero thetal3 and Large deltaCP2012

    • 著者名/発表者名
      石森一
    • 学会等名
      SUSY2012
    • 発表場所
      北京大学(中国)(招待講演)
    • 年月日
      2012-08-17
  • [学会発表] New Simple A4 Model for Nonzero thetal3 and Large deltaCP2012

    • 著者名/発表者名
      石森一
    • 学会等名
      CET UP
    • 発表場所
      リード高校(USA)(招待講演)
    • 年月日
      2012-07-24
  • [図書] An Introduction to Non-Abelian Discrete Symmetries for Particle Physicists2012

    • 著者名/発表者名
      石森一、小林達夫、大木洋、岡田寛、清水勇介、谷本盛光
    • 総ページ数
      286
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2014-07-16  

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