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2011 年度 実績報告書

新規なハイブリット型ホウ素ルイス酸-二級アミン触媒の開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 11J00868
研究機関京都大学

研究代表者

坂本 龍  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード有機合成化学 / 有機分子触媒 / 不斉反応 / マンニッヒ反応 / アルドール反応 / 天然物合成
研究概要

本年申請者は、グリオキシル酸誘導体を用いたシン選択的不斉アルドール反応の開発に成功した。グリオキシル酸エチルエステルを用いたアルドール反応は有用な生成物を与える反応であるものの、シン選択的な不斉アルドール反応の報告例は未だ限られており、またそのジアステレオ比も改善の余地があった。そこで申請者は、二級アミン有機分子触媒を用いたグリオキシル酸誘導体の不斉アルドール反応において、種々のグリオキシル酸誘導体の検討を行うことで、本反応が高シン選択的に進行することを見出した。さらにこの反応の生成物を天然物や生理活性物質に数多く見られるラクタムやラクトンへと変換することに成功し、これらの成果をChemical Communications誌に発表した。さらに、申請者は二級アミン有機分子触媒を用いた不斉マンニッヒ反応において、α位に窒素官能基を有するαアミノアセトアルデヒドを基質とすることで、ビシナルジアミンの立体選択的合成法の開発に成功した。この際異なる二級アミン有機分子触媒を用いることで、シン体、アンチ体、両ジアステレオマーの選択的合成にも成功した。同一の基質からジアミン化合物の両ジアステレオマーを選択的に作り分ける反応例は現在においても極めて限られており、本反応の有用性を明らかにした。また、この反応の生成物であるビシナルジアミン化合物は、天然物や生理活性物質に散見される重要な骨格であり、本反応を用いて、海洋性アルカロイドである(-)-AgelastatinAの形式的全合成を達成した。これらの成果はJournal of the American Chemical Society誌に受理された。現在、α位に他のヘテロ元素を有するアルデヒドやケトンを基質としたた不斉反応のさらなる開発を行うと共に、新規なホウ素ルイス酸-二級アミン有機触媒の開発を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度、ハイブリット型ホウ素ルイス酸-二級アミン分子触媒の開発には至っていないものの、二級アミン有機触媒-ホウ素ルイス酸の協触媒系に関しては反応系の探索を行っている。さらに、有機アミン触媒を用いた不斉反応においてα位にヘテロ元素を有するアルデヒドを、有用な基質として用いることが可能であることを見出した。

今後の研究の推進方策

引き続いて、二級アミン有機触媒を用いて、α位にヘテロ元素を有するカルボニル化合物を基質とした不斉反応の開発を行う。さらに開発した反応を用い、天然物、生理活性物質の合成へと展開する。それと平行して、二級アミン-ホウ素ルイス酸ハイブリット型触媒の開発を行う。今後は、二級アミン触媒-ホウ素ルイス酸触媒の協触媒系の開発を中心に行っていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] syn-Selective asymmetric cross-aldol reactions between aldehydes and glyoxylic acid derivatives catalyzed by an axially chiral amino sulfonamide2011

    • 著者名/発表者名
      加納太一(京大院理・講師)、野一色彰(京大院理・学生)、坂本龍(京大院理学生)、丸岡啓二(京大院理・教授)
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 47 ページ: 10626-10628

    • DOI

      10.1039/C1CC14347F

    • 査読あり
  • [学会発表] アミン有機触媒を用いた不斉Mannich反応によるビシナルジアミン合成法の開発:(-)-Agelastatin Aの形式的全合成2012

    • 著者名/発表者名
      坂本龍(京大院理・学生)
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会
    • 発表場所
      慶応義塾大学
    • 年月日
      2012-03-28

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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