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2013 年度 実績報告書

脂肪酸の質的特性とその代謝制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11J00911
研究機関筑波大学

研究代表者

煙山 紀子 (鈴木 紀子)  筑波大学, 医学医療系, 特別研究員(PD)

キーワードElov16 / 脂肪酸組成 / 行動解析 / 脳 / 食餌嗜好性 / 高ショ糖食
研究概要

食習慣は肥満、生活習慣病と深く関わるが、食行動の是正は困難なことが多く、未だ課題が多い。肥満状態においては、多彩な内因性生理活性因子の制御機能不全が起こるが、従来身体の構成やエネルギー源として利用されると考えられていた栄養成分、特に脂質は、栄養シグナルとして直接あるいは間接的に細胞機能の制御を繊細に行っている可能性があることがわかってきた。
Elov16は脂肪酸伸長酵素ファミリーの一つであり、生体内で炭素数16から18への鎖長反応を担っている。全身Elov16欠損マウスでは肝臓の脂肪酸組成の変化が起こり、高脂肪食の負荷により、野生型マウスと同様に肥満・脂肪肝を呈するが、それらの解消に依存しないインスリン抵抗性改善が示されている。また、近年では脳において脂肪酸が摂食制御に重要な役割を担うことが明らかになってきており、本研究で、Elov16欠損マウスを用いて摂食調節機構におけるElov16の役割について検討したところ、恒常性維持のための摂食には影響せず、ショ糖のような嗜好性に基づいた摂食に影響をおよぼす可能性が示唆された。摂食パターンを詳細に検討したところ、Elov16欠損マウスの高ショ糖食嗜好性は、本来の食餌摂取時間ではない明期の給餌直後より明確にみられることが特徴的であった。また、高脂肪食に関しては野生型と同様に摂取し、脂質に対する嫌悪はみられなかった。また、高ショ糖嗜好性が甘味に対する嗜好性かどうかを検討するため、甘味料入りの飲水にて検討したが、飲水量は野生型と比較して変化が見られなかった。一方で、ショ糖単独食では野生型と比較してElov16欠損マウスで摂取量が増加した。これより、Elov16欠損マウスは、甘味に対する嗜好性は野生型と変わらないが、砂糖自体を好んでいる可能性が示唆された。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 生活習慣病における脂肪酸の質と栄養シグナル2014

    • 著者名/発表者名
      煙山(鈴木)紀子、松坂賢、島野仁
    • 学会等名
      第17回日本病態栄養学会年次学術集会
    • 発表場所
      大阪、大阪国際会議場
    • 年月日
      20140111-12
    • 招待講演
  • [学会発表] 脂肪酸伸長酵素Elov16欠損マウスはショ糖嗜好性が亢進する2014

    • 著者名/発表者名
      煙山(鈴木)紀子、松坂賢、所司慶太、加藤淳子、中川嘉、嶋田昌子、矢作直也、山田信博、島野仁
    • 学会等名
      日本栄養・食糧学会関東支部第93回シンポジウム、日本食品科学工学会平成26年度関東支部大会
    • 発表場所
      東京、東京農業大学
    • 年月日
      2014-03-01
  • [学会発表] 脂肪酸伸長酵素Elov16欠損マウスにおける食餌嗜好性への影響2013

    • 著者名/発表者名
      煙山(鈴木)紀子、松坂賢、所司慶太、加藤淳子、唐ネ、久芳素子、岩崎仁、小林和人、矢藤繁、石井清明、中川嘉、嶋田昌子、矢作直也、鈴木浩明、山田信博、島野仁
    • 学会等名
      第84回日本肥満学会
    • 発表場所
      東京、東京国際フォーラム
    • 年月日
      20131011-12
  • [学会発表] The role of elov16 in preference for high-sucrose diet2013

    • 著者名/発表者名
      Noriko Suzuki-kemuriyama, Takashi Matsuzaka, Keita Shosi, Atsuko Kato, Tang Nie, Motoko Kuba, Hitoshi Iwasaki, Kazuto Kobayashi, Shigeru Yatoh, Kiyoaki Ishii, Yoshimi Nakagawa, Masako Shimada, Naoya Yahagi, Hiroaki Suzuki, Nobuhiro Yamada, Hitoshi Shimada
    • 学会等名
      The 36th Naito Conference "Molecular Aspects of Energy Balance and Feeding Behavior
    • 発表場所
      Hokkaido, Cheteraise Gateoux Kingdum Sapporo
    • 年月日
      20130910-13
  • [学会発表] 脂肪酸伸長酵素Elov16欠損マウスの摂食行動解析2013

    • 著者名/発表者名
      煙山(鈴木)紀子、松坂賢、所司慶太、加藤淳子、唐ネ、久芳素子、岩崎仁、小林和人、矢藤繁、石井清明、中川嘉、嶋田昌子、矢作直也、鈴木浩明、山田信博、島野仁
    • 学会等名
      第56回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      熊本、ホテル日航熊本
    • 年月日
      20130516-18
  • [学会発表] 脂肪酸伸長酵素Elov16欠損マウスはショ糖嗜好性が亢進する2013

    • 著者名/発表者名
      煙山(鈴木)紀子、松坂賢、所司慶太、加藤淳子、唐ネ、久芳素子、岩崎仁、小林和人、矢藤繁、石井清明、中川嘉、嶋田昌子、矢作直也、鈴木浩明、山田信博、島野仁
    • 学会等名
      第86回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      宮城、仙台国際センター
    • 年月日
      20130425-27
  • [図書] 慢性炎症と生活習慣病2013

    • 著者名/発表者名
      煙山(鈴木)紀子、松坂賢、島野仁
    • 総ページ数
      183(161-168)
    • 出版者
      南山堂
  • [図書] 糖尿病の分子標的と治療薬2013

    • 著者名/発表者名
      煙山紀子、矢作直也
    • 総ページ数
      342(234-235)
    • 出版者
      羊土社

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公開日: 2015-06-25  

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