研究課題/領域番号 |
11J01059
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
武村 拓馬 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 天然物化学 / ポチケチド / オーリピロン / アルドール反応 / 構造活性相関 / 分子プローブ |
研究概要 |
オーリピロンA,Bは海洋軟体動物タツナミガイから単離、構造決定されたポリケチド化合物である。オーリピロン類はがん細胞に対して細胞毒性を示すが、オーリピロン類は天然からは極微量しか得られず、詳細な生物活性試験は行われていなかった。申請者はこれまでに生物活性試験のための量的供給を行うべく、γ-ピロンの新規アルドール型反応を利用したオーリピロン類の全合成を達成してきた。今回、申請者はγ-ピロンのアルドール型反応の選択性を高めることを目的に、向山アルドール型反応を新たに開発し、反応の最適条件を見出した。また、その立体選択性と基質一般性に興味深い知見を得た。続いて、構造活性相関研究を行った。側鎖にベンゾイル基、4-フェニルブチリル基、ラウリル基を導入した類縁体を合成し、それぞれの細胞毒性を天然物と比較した。その結果、側鎖の構造は細胞毒性にほとんど影響を与えないことが分かった。さらに、全合成の合成ルート及び構造活性相関で得られた知見を活用して、生物活性発現機構の解明を目的とした分子プローブの開発に着手した。まず、細胞内の局在を解析するために、側鎖部に蛍光基を導入した蛍光プローブを設計し、アセチレンを導入した側鎖と蛍光基を持つアジドのHoisgen反応を鍵反応としてこれを合成した。このプローブを用いた細胞内局在解析によってオーリピロン類は細胞質に局在することが分かった。現在、オーリピロン類の標的分子同定のために、オーリピロン類をリガンドとする光親和性ビオチンプローブの合成を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、構造活性相関研究を行ってオーリピロン類の修飾可能位置の割り当てまで完了している。
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今後の研究の推進方策 |
オーリピロン類の構造活性相関研究においては十分な結果が得られたと判断されるため、今後はオーリピロン類の細胞毒性発現機構に関する研究へとシフトしていこうと考えている。
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